2026年度の年金額は国民年金(基礎年金)が1.9%の引き上げ、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引き上げとなります。しかし物価変動率を下回る水準ですので、実質的には増えたとは言えない状況です。
収入が増えない中で、支払うものは増加傾向にあります。
75歳以上の方が対象となる「後期高齢者医療制度」における2026年度の被保険者1人あたりの保険料は全国平均で月額7989円となる見通しです。2024年度・2025年度の7411円から578円の引き上げとなります。
本記事では、お住まいの地域によって異なる保険料を都道府県別に詳しく解説します。あわせて、2026年度から新たに徴収が始まる「子ども・子育て支援金」の平均的な負担額についても見ていきましょう。
1. 「後期高齢者医療制度」とは?75歳から加入する公的医療保険の基本を解説
日本は、すべての人が何らかの公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」を採用しています。
75歳になると、それまで加入していた健康保険(協会けんぽ、共済組合、国民健康保険など)から、独立した医療制度である「後期高齢者医療制度」へ自動的に切り替わります。
加えて、65歳以上75歳未満の方でも、障害年金1級・2級に該当するなど一定の障害状態にあると認定された場合は、ご本人の希望によってこの制度に加入できます。
1.1 医療費の窓口負担は何割?所得に応じた自己負担割合(1〜3割)について
医療機関の窓口で支払う自己負担の割合は、現役世代との公平性を保つため、所得に応じて区分されています。
- 一般所得者など:1割負担(課税所得が28万円未満の方)
- 一定以上の所得がある方:2割負担(課税所得が28万円以上145万円未満の方)
- 現役並みの所得がある方:3割負担(課税所得が145万円以上の方)
2. 【2026・2027年度】後期高齢者医療制度の保険料はいくら?全国平均と計算方法
後期高齢者医療制度の保険料率は、2年に一度改定される仕組みです。
2026年度(令和8年度)からは、これまでの「医療分」保険料に加え、少子化対策の財源を確保するための「子ども・子育て支援金(子ども分)」の徴収が新たに始まりました。
厚生労働省が公表した資料『後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について』によると、被保険者1人あたりの全国平均保険料(月額)は次のようになっています。
保険料の全国平均(月額)
- 医療分:月額7989円(前回比+578円、7.8%増)
- 子ども分:月額194円(子ども・子育て支援金として2026年度から新設)
- 合計:月額8183円
医療分の保険料が引き上げられた背景には、医療技術の高度化や高齢化による医療費の増加があります。さらに、現役世代の負担増を緩和するため、「高齢者と現役世代の負担の伸び率を揃える」という制度変更も影響しています。
ただし、これらの金額は全国平均のものです。
個人の保険料は、以下の2つの要素を合算して決まります。
- 均等割額:被保険者全員が公平に負担する金額
- 所得割額:被保険者の前年の所得に基づいて計算される金額
次の章では、厚生労働省の資料『後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について』を基に、都道府県別の保険料の違いを具体的に見ていきます。
3. 後期高齢者医療保険料、平均月額が高い都道府県ランキング【2026年度】
2026年度における、都道府県別の後期高齢者医療保険料(医療分)の平均月額を、金額が高い順に紹介します。
- 東京都 1万352円
- 神奈川県 9842円
- 愛知県 9045円
- 大阪府 9010円
- 沖縄県 8731円
- 奈良県 8622円
- 福岡県 8330円
- 兵庫県 8301円
- 京都府 8280円
- 千葉県 8237円
- 埼玉県 8189円
- 佐賀県 8159円
- 石川県 8065円
- 滋賀県 8051円
- 岡山県 7891円
- 福井県 7840円
- 山口県 7836円
- 広島県 7831円
- 静岡県 7415円
- 香川県 7388円
- 岐阜県 7317円
- 富山県 7296円
- 北海道 7295円
- 大分県 7283円
- 三重県 7263円
- 鹿児島県 7174円
- 茨城県 7128円
- 熊本県 7088円
- 山梨県 7070円
- 宮城県 6933円
- 群馬県 6877円
- 徳島県 6829円
- 和歌山県 6771円
- 高知県 6747円
- 長野県 6745円
- 鳥取県 6568円
- 島根県 6561円
- 栃木県 6476円
- 長崎県 6192円
- 愛媛県 6186円
- 山形県 6014円
- 宮崎県 5875円
- 新潟県 5852円
- 秋田県 5847円
- 福島県 5744円
- 岩手県 5496円
- 青森県 4990円
- 全国 7989円
都道府県別の平均月額を見ると、最も高いのは東京都の1万352円でした。一方で、最も低いのは青森県の4990円となり、地域によって大きな差があることがわかります。
4. 年金収入84万円モデルケースの保険料は?都道府県別の月額を比較
次に、国民年金(基礎年金)のみを受給している方を想定したモデルケースとして、年金収入が年間84万円の場合の月額保険料を都道府県別に確認します。
2026年度における、各都道府県の保険料は以下のようになっています。
- 北海道 1392円
- 青森県 1175円
- 岩手県 1133円
- 宮城県 1216円
- 秋田県 1300円
- 山形県 1225円
- 福島県 1143円
- 茨城県 1155円
- 栃木県 1146円
- 群馬県 1267円
- 埼玉県 1217円
- 千葉県 1183円
- 東京都 1242円
- 神奈川県 1225円
- 新潟県 1148円
- 富山県 1302円
- 石川県 1337円
- 福井県 1263円
- 山梨県 1228円
- 長野県 1139円
- 岐阜県 1292円
- 静岡県 1192円
- 愛知県 1308円
- 三重県 1280円
- 滋賀県 1292円
- 京都府 1390円
- 大阪府 1515円
- 兵庫県 1363円
- 奈良県 1325円
- 和歌山県 1371円
- 鳥取県 1217円
- 島根県 1334円
- 岡山県 1400円
- 広島県 1285円
- 山口県 1482円
- 徳島県 1423円
- 香川県 1353円
- 愛媛県 1298円
- 高知県 1409円
- 福岡県 1548円
- 佐賀県 1603円
- 長崎県 1308円
- 熊本県 1470円
- 大分県 1492円
- 宮崎県 1300円
- 鹿児島県 1625円
- 沖縄県 1423円
- 全国 1309円
このモデルケースでは、鹿児島県の1625円が最も高い保険料となります。
また、2026年度からは、この後期高齢者医療保険料に上乗せされる形で「子ども・子育て支援金」の徴収も開始されます。
次の章では、後期高齢者が負担する子ども・子育て支援金の平均的な月額について解説します。
5. 2026年度開始「子ども・子育て支援金」後期高齢者の負担額は月々いくら?
少子化対策の一環として2026年度から導入される「子ども・子育て支援金」について、後期高齢者が負担する平均月額は以下の通りです。
- 東京都 265円
- 神奈川県 243円
- 愛知県 215円
- 千葉県 213円
- 埼玉県 210円
- 茨城県 204円
- 奈良県 203円
- 沖縄県 203円
- 静岡県 195円
- 広島県 194円
- 京都府 193円
- 大阪府 191円
- 福井県 190円
- 兵庫県 190円
- 三重県 186円
- 宮城県 185円
- 岐阜県 185円
- 滋賀県 184円
- 石川県 183円
- 長野県 183円
- 富山県 182円
- 山梨県 182円
- 香川県 182円
- 岡山県 179円
- 福岡県 176円
- 群馬県 174円
- 栃木県 173円
- 北海道 172円
- 新潟県 168円
- 山口県 167円
- 島根県 165円
- 佐賀県 163円
- 熊本県 161円
- 和歌山県 159円
- 岩手県 158円
- 鳥取県 158円
- 高知県 157円
- 大分県 156円
- 山形県 155円
- 福島県 154円
- 徳島県 154円
- 長崎県 154円
- 愛媛県 153円
- 鹿児島県 151円
- 宮崎県 145円
- 秋田県 144円
- 青森県 115円
- 全国 194円
6. まとめ:後期高齢者医療保険料と支援金、通知書で自身の金額を確認しよう
本記事では、2026年4月10日に公表された厚生労働省の資料「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」に基づき、後期高齢者医療制度の保険料を解説しました。
2026年度からは、新たに「子ども・子育て支援金」の徴収も始まり、月額で100円台から200円台の負担が加わります。
保険料や支援金の具体的な金額は、個人の所得などに応じて決まります。正確な金額については、お住まいの自治体から送付される通知書で必ず確認するようにしましょう。
参考資料
マネー編集部社会保障班