日本の貿易黒字が減少中。これはヤバイ!?

グローバルでも隣国とも貿易摩擦がかまびすしい今日このごろ。おかげで株価も乱高下して、ヒヤヒヤされている方もたくさんいらっしゃることでしょう。

もっとも株価は短期的な材料で動くものですから、この程度の乱高下は想定内としておいてください。今日はそうした短期的な話ではなく、長期的な日本の経済基盤について考えてみたいと思います。

日本の累積貿易収支は240兆円

筆者が中高生の頃は、日本は輸出で稼いで食っていると教わっていたのですが、改めてグラフにしてみると、貿易黒字が定着したのは1980年代になってからということが分かります(図表1)。

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1970年代までは年によってバラつきがあり、必ずしも貿易黒字が定着していたわけではないですね。むしろ、貿易収支の累計値は1980年代まで収支トントンの状態でした。

図表1:財務省貿易統計(1950年−2018年 単位:兆円)

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出所:財務省貿易統計より筆者作成


1980年代前半からは怒涛の輸出が奏功し、1981年からは30年連続で貿易収支がプラスとなっていました。

この影響で、巨大な対日赤字を抱えていた米国の自動車産業は苦境に落ち、デトロイトで日本車がハンマーで叩き壊されるというデモンストレーションを見たことがある読者の方も多いことでしょう(最近でも日本製品ボイコットと言ってひっちゃぶいたり、踏み壊したりという狼藉が近所で見られますが、当時の米国に比べればかわいいものです)。

それはさておき、戦後ずっと日本企業が頑張ってきたおかげで、日本の貿易収支累積額は240兆円にもなっているわけです。もちろん、純利益が240兆円溜まっているわけではないですから、そこは謙遜しないといけませんが、世界でも類を見ない黒字国ではありました。

中独露には脱帽

しかし、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)によれば、2017年度の貿易収支トップの国々は中国(約46兆円)、ドイツ(31兆円)、ロシア(約13兆円)となっており、単年度でみると日本を大きく凌駕しています。

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太田 創

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIアセット・マネジメントにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。