1.4 ドルコスト平均法の威力 取得単価は単純平均より2割安

ここで見逃せないのが、「いつ買えばいいかわからない」という悩みを自動で解決してくれるドルコスト平均法の力です。投資タイミングを分散させる「時間の分散」がはたらき、結果的に高値掴みを防いだことが利益につながっています。

さらに、ドルコスト平均法の力は取得単価にも表れています。上記期間における金の平均価格は9115円でした。一方、平均購入単価は7313円と、「時間の分散」の効果である単純平均より1802円安く買えています。取得した数量全体(約164.08g)では約29万5672円に相当し、利益を押し上げた要因となりました。

ドルコスト平均法では1回あたりの投資額が一定のため、「価格が高い時には少なく、安い時には多く買う」という調整が自動的に行われます。このため、長い期間で見ると取得単価は単純平均よりも下がりやすいという特徴があり、利益に貢献したと考えられます。

2. 【純金積立の注意点】5年、10年のスパンで育てる「守りの資産」

「これだけ増えるなら今すぐ始めたい」と思った方も、以下の注意点だけは必ず押さえておきましょう。

  • 手数料と保管料:ネット証券などを選べば抑えられますが、年会費や買付手数料がかかる場合があります。
  • スプレッド:一般に金の購入と売却には価格差(スプレッド)があるため、短期間で売却すると損が出やすい傾向です。
  • 利息・配当はない:あくまで「売却時の差益」を狙う投資です。
  • NISAは対象外(※一部ETFを除く):純金積立そのものはNISAを使えません。
  • 5年以上の長期保有が「節税」のカギ: 金の売却益には譲渡所得税がかかりますが、5年を超えて保有すると課税対象になる利益が「半分」になるという大きな優遇があります。

「純金積立」は、短期間の価格変動で利益を狙う短期トレードではなく、5年、10年というスパンで「守りの資産」を育てる手法なのです。

3. まとめにかえて

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、2026年1~3月の金の総需要(トンベース)は前年同期比2%増えました。うち「金地金」への投資は同50%増と突出しており、現物の金に対する需要は世界的に高まっているようです。

WGCは、今後の見通しとして当面は地政学リスクの高まりが金需要を下支えすると予想します。もちろん、予想に反して需要が伸びず、価格が下落する展開もあるでしょう。

本記事のシミュレーションが示す通り、金の強みは「長期保有」と「ドルコスト平均法」の組み合わせにあります。

たとえ一時的に価格が下がっても、定額で買い続けることで購入単価は平準化され、5年、10年後には大きな実を結ぶ可能性が高まります。2026年、新たな資産形成として「純金積立」を検討してみてはいかがでしょうか。

【投資に関するご注意事項】

  • 情報提供の目的:本記事は純金積立に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。
  • 自己責任の原則:実際の投資判断は、最新の市場動向やリスクをご自身でご確認のうえ、規約をよくお読みになり、ご自身の責任と判断で行ってください。
  • 過去の実績について:記事内に掲載しているシミュレーション結果は過去の実績(2016年〜2026年)に基づくものであり、将来の運用成果や金価格の動向を保証・約束するものではありません。
  • 情報の最新性:掲載されている金価格、手数料、税制等の情報はすべて執筆時点(2026年5月)のものです。これらは予告なく変更される場合があるため、実際の取引にあたっては必ず各公式サイトや最新の情報をご確認ください。

参考資料

若山 卓也