高知のはりまや橋
続いて紹介するのは、高知県高知市にある「はりまや橋(播磨屋橋)」。江戸時代に、高知城下を走る堀川によって南北に隔てられていた豪商の播磨屋の本店と櫃屋(ひつや)の本店との間で、堀を越えてお互い行き来するために、私費により造られたとされ、高知の民謡「よさこい節」の歌詞にも出てくるような有名な橋です。
昭和30年代には、もともと旧陸軍の高知出身者が多かった部隊で歌い継がれていた曲をもとに、歌手のペギー葉山が歌った『南国土佐を後にして』が大ヒット。同名の映画まで制作されましたが、「はりまや橋」はこの歌詞の中にも登場します。この曲のヒットが、全国的に「はりまや橋」を一躍有名にしたといわれています。
ここでも、実際に訪れた人の声を見ていきましょう。
「小さくて見逃してしまいそうになった」
「ここがはりまや橋と言われても分からない」
「街中に突如現れるから期待して行ったらダメ」
「札幌時計台をがっかり名所とか言ってるやつは『こいつ、高知のはりまや橋をしらねぇな』と思ってしまう。はりまや橋に比べたら時計台なんか立派すぎるわ」
やはり否定的な意見が目立ちますね……。実は昔のはりまや橋があった場所には、現在、とさでん交通桟橋線や国道32号(支線)が通る石造りの橋がありますが、これは1998年に完成したもの。堀川自体が戦後しばらくして埋め立てられていたため、橋の下には堀はなく、道路の両脇に欄干のみが建っている状態です。そして、そのすぐ西側には、人工水路の上に復元された赤い欄干のはりまや橋がありますが、レプリカであることにがっかりする人もいるようです。
ネット上では、そうした見方への反論として、
「がっかり名所言われてるけど、勝手に想像してそう思う人の気がしれん」
「街中なのに水流れ緑もあるいい感じの休憩スポット」
「よく3大がっかり名所と言われるけど、この朱色の橋を見るとカッコいいなって思います」
といった声もありますが、地元民とおぼしき人も、「日本がっかり名所第一位」「日本一のがっかり名所」と自虐的につぶやくなど、札幌時計台と比較しても、擁護する人が少ないような印象はあります。
しかし、周辺は、はりまや橋公園を中心にきれいに整備され、橋の歴史や以前の欄干が展示されている地下広場(地下通路)があったり、橋の東側にからくり時計があったりと、見どころは橋だけではありません。街並みも素敵で、周囲の雰囲気にはなかなか風情があります。はりまや橋だけをただ一つの目的にしてしまうとがっかりしてしまうのかもしれませんが、近くを散策したり、街並みや雰囲気とともに橋を楽しんだりすると良いかもしれません。
3つ目の「がっかり名所」は?
三大がっかり名所というからには、3つの観光スポットがあるはずなのですが、実は3つ目のスポットは、人によって意見が分かれるようです。「諸説あり」というものですね。ここではそのうちのいくつかを紹介していきましょう。