日本には「日本三大がっかり名所」と呼ばれる観光スポットがあるのですが、ご存じでしょうか? ウェブ上でも数多くの解説がありますが、たとえば、はてなキーワードの「日本三大がっかり名所」の解説によると、「日本国内で、観光名所としては有名だが、実際に訪れると期待外れとされる三つの場所」とされています。
とはいうものの、このような不名誉な称号がつけられた「がっかり名所」は、本当にがっかりしてしまうような場所なのでしょうか。それとも、意外と楽しめるのでしょうか? ここでは、実際に行った人の声を取り上げながらご紹介していきます。
札幌の時計台
一つ目として紹介するのは、北海道札幌市にある、「札幌時計台」。正式名称を「旧札幌農学校演武場」といい、1970年に重要文化財に指定された歴史的建造物です。三角屋根の上に大きな時計がのった、特徴的な外観を持っています。
ネット上では、実際に訪れた人たちからこんな声が上がっています。
「札幌時計台ほどがっかりするものはない」
「通りすがりに一目見るくらいでいい」
「小さくて見逃してしまいそう」
「時計台行ったら改修中でよりがっかりだった はりぼてというか時計台に時計台の絵が描かれた布かぶさってた」
ちょっとひどい言われようですね……。しかし一方で、こうした時計台への扱いに憤る声や、時計台を評価する声も上がっています。
「がっかりするといわれて腹が立つ」
「がっかりするのは名所!名所!と妄想膨らませすぎ、もしくはあなたが欲張りなだけなので、普通にお越しください。いい建物です」
「時計台よくがっかりスポットと言われますが、内部の建築は凄いので是非とも行ってみて下さい」
「ぶっちゃけ、趣があってカッコいいと思うんだけど、これがガッカリ名所と呼ばれていることが解せない」
北海道と言われると大自然を思い浮かべる人が多いと思いますが、時計台は都会にあります。ビルに囲まれている姿を見ると、膨らんでいた期待がちょっとしぼんでしまうのかもしれませんね。ほかにも、重要文化財に指定されていることや、旅行会社のパンフレット・各種メディアで紹介される際に、まわりのビルなどを上手に避けた写真や時計台だけを切り抜いた写真が掲載される場合が多いこともあり、建物周囲の雰囲気を知らされないまま、期待だけが過度に高まってしまうことも原因かもしれません。一方で、上記のように、建築そのもの、特に建物の内部については、「中に入ったら完全にイメージが変わる」「ぜひ時計台の内部を見てほしい」など、高い評価をしている人が多いようです。
ちなみに2018年には、時計台の写真を撮ったときにこれまでなら背後に比較的ビルが写り込まなかった空間に、ひときわ大きなビルが建ちました。これについて、同年4月にジャーナリストの佐々木俊尚さんも「後ろに27階ビルができて写真に写り込んでしまうそうです。でももともとビル街のど真ん中だし、仕方ないんじゃないかなあ。別の魅力の打ち出しが求められてるのでは」とツイートしています。