新緑の季節を迎え、過ごしやすい気候となりました。一方で、今後の生活設計において社会保険料の動向は重要な関心事です。厚生労働省が公表した令和8・9年度の後期高齢者医療制度の保険料率見込みでは、医療費増加に伴う引き上げや、今年4月に開始された「子ども・子育て支援金制度」の動向が明らかになりました。
今回はこの公表結果をもとに、最新の保険料見込みや地域ごとの負担格差について解説します。
1. 【全国平均は月7989円】令和8・9年度の後期高齢者医療保険料はどう変わる?
令和8・9年度の後期高齢者医療保険料(医療分)は、一人当たり全国平均で月額7989円となる見込みです。これは令和6・7年度の7411円から578円(7.8%)の増加となります。
1.1 負担増の主な理由は「医療費の増加」と「負担割合の引き上げ」
今回の改定では、医療給付費の増加などに伴う保険料(医療分)の引き上げに加え、新しい支援金制度の導入による上乗せが見込まれています。
保険料が上昇する主な要因は、一人当たり医療給付費が約4.89%増加することや、医療給付費のうち後期高齢者が負担する割合が13.27%へ引き上げられたことです。一方で、過去の剰余金の活用や財政安定化基金からの交付を通じて、保険料の急激な増加を抑える工夫もされています。
2. 【都道府県別ランキング】後期高齢者医療保険料、1位と47位で「月5362円」の差あり!
後期高齢者医療保険料は、各都道府県の「後期高齢者医療広域連合」ごとに定められており、地域の実情や医療給付費の伸び率などによって金額に大きな差が生じています。厚生労働省が公表する「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」をもとに、被保険者一人当たり平均保険料額(月額)の地域差をみていきましょう。
2.1 「保険料が高い」都道府県トップ5(医療分・月額見込み)
- 東京都:1万352円
- 神奈川県:9842円
- 愛知県:9045円
- 大阪府:9010円
- 沖縄県:8731円
2.2 「保険料が安い」都道府県トップ5(医療分・月額見込み)
- 青森県:4990円
- 岩手県:5496円
- 福島県:5744円
- 秋田県:5847円
- 新潟県:5852円
最も高い東京都と最も低い青森県では、月額5362円と2倍以上の開きがあることがわかります。住む地域によって負担額が大きく異なる点には、あらかじめ着目しておきたいところです。
3. 【令和8年度から導入】新たに上乗せされる「子ども・子育て支援金」とは?
「子ども・子育て支援金」は、子どもや子育て世帯を社会全体で支えるため、高齢者を含む全ての世代や企業が拠出する新しい制度です。後期高齢者医療制度に加入している場合、令和8年度の全国平均で月額194円(年額2333円)が保険料の「子ども分」として上乗せされます。
この支援金額は、お住まいの都道府県の後期高齢者医療広域連合が定める条例に基づき、個人の所得等に応じて決定されます。本制度は令和8年度から令和10年度にかけて段階的に構築されるため、今後の徴収額は各広域連合議会において順次決定される予定です。
4. 【これからの暮らしに向けて】早めの情報確認で安心の生活設計を
今回は、公表された後期高齢者医療制度の保険料率の見込みをもとに、令和8・9年度の保険料の引き上げや新たな支援金制度について解説しました。
医療費の増加などに伴い、全国平均で月額7989円への引き上げが見込まれており、家計への影響が気になるところですよね。さらに、お住まいの地域によって保険料に大きな格差があることも分かりました。「自分の住む街の保険料はいくらだろう?」と、少し身近に感じられたのではないでしょうか。
今後の生活設計をより安心なものにするために、まずは自治体から届く案内をしっかり確認してみましょう。早めに正しい情報をキャッチしておくことで、これからの暮らしへの備えも前向きに進めていくことができます。
参考資料
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- こども家庭庁「Q2. 令和8年度から始まる子ども・子育て支援金はどんな制度?何に使われるの?」
村岸 理美