どんなに稼いでも、そのぶん浪費してしまえば、手もとに残らないのがお金。「豊かで、かつ安心した生活を送りたい」と望むならば、できるだけの「高収入」を目指しつつ、しっかりと「貯金」にも取り組む必要があります。

では、この両方をクリアしている人には、どのような特徴があるのでしょうか。今回は高収入の人の実態や、彼/彼女らの貯金の取り組み方についてご紹介します。

高年収の人の割合は?「貯金が多い」とは限らない!?

「高年収」と聞くと、年収1000万円以上のラインをイメージする人が多いのではないでしょうか。2018年9月に国税庁が公表した「民間給与実態調査」では、4945万人の給与所得者のうち、年間給与所得額が1000万円以上の人は222万人と示されています。

つまり、年収1000万円の壁を越えているのは、全体のわずか4.5%。「年収1000万円」を実現する厳しさが感じられますね。

続いて、年収1000万円の世帯の貯蓄額を確認してみましょう。2019年7月30日に総務省統計局が発表した「家計調査 [貯蓄・負債編] 二人以上の世帯(2019年(平成31年)1~3月期平均結果)」によれば、「2人以上かつ年収1000万円以上の世帯」における1世帯当たり貯蓄現在高は以下のようになっています。

《貯蓄額》
年間収入1,000万~1,250万円 世帯 … 貯蓄現在高 2,389万円
年間収入1,250万円~1,500万円 世帯 … 貯蓄現在高 2,769万円
年間収入1,500万円以上〜世帯 … 貯蓄現在高 4,759万円

こう見ると、「やはり高収入の人は貯蓄もしっかり行なっているのだな」と感じることでしょう。しかし、すべての高年収世帯がたくさんの貯蓄をしている、というわけではないと分かる結果も。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成30年調査結果」(2018年)によると、「預貯金や有価証券、保険などの金融商品をいずれも保有していない世帯」は全体の1.6%となっています。年間収入1000万円以上の世帯においては0%です。

しかし、「金融資産なし世帯」を「預貯金以外の金融商品や、預貯金があってもそのうち運用または将来の備えを保有していない世帯」と定義した場合は、以下のように様相が変わってきます。(「年間収入別「金融資産なし世帯」の割合」の表を参照)

年間収入別「金融資産なし世帯」の割合(金融広報中央委員会の資料を参考に編集部作成)

これによると、年間収入1000~1200万円未満の2人以上世帯のうち、金融資産を持たない世帯は7.3%、また1200万円以上の世帯においては3.8%、存在することが分かりました。

年収が高くなると、そのぶん生活水準も上がってしまいがち。高収入の人は「使ったら、また稼げばいい」という思考を持つ人も多いですが、日々の浪費やマイホーム、車、教育費などの出費が重なると、貯蓄がない状態に陥ってしまうケースもあるようです。

収入も貯蓄もあるお金持ちになるには