7. まとめにかえて|これからの医療費とどう向き合うべきか
後期高齢者医療制度における窓口負担割合は、所得水準や世帯構成によって決まりますが、制度を取り巻く環境は今後も大きく変化していく可能性があります。
身近な変化の一つが、「子ども・子育て支援金」の導入です。少子化対策の財源を社会全体で支える仕組みとして創設され、後期高齢者医療制度でも被保険者1人あたり月額約200円程度(※)が保険料に上乗せされる見込みです。
一人あたりの金額は小幅に見えるものの、年間で考えると数千円規模となり、家計への影響を感じる世帯も出てくるでしょう。
さらに見過ごせないのが、窓口負担割合そのものの引き上げに向けた動きです。先月(2026年4月)、財務省の財政制度等審議会において、負担能力に応じた公平な制度とするために、70歳以上の窓口負担割合を現役世代と同様に「原則3割」とすべきとの提言がなされました。
将来的に多くのシニア世代で医療費の窓口負担が増加することが現実味を帯びています。
少子高齢化が進むなかで、医療保険料や関連する負担が今後も緩やかに増えていく可能性は否定できません。
制度の仕組みや今後の変更に向けた議論を理解し、こうした負担増や物価上昇分も含めて家計を見通しておくことが、老後の生活を安定させるうえで極めて大切な視点となるでしょう。
※支援金額は、お住まいの都道府県後期高齢者医療広域連合が定める条例に基づき、個人の所得等に応じて決まります。支援金額の月額についてはお住まいの市町村にお問い合わせください。なお、後期高齢者医療広域連合ごとに支援金に係る保険料率が異なります。また、令和8年4月分からの拠出となりますが、具体的な徴収開始時期はご加入の広域連合にお問い合わせください。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
- 厚生労働省「国民医療費の概況」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
マネー編集部社会保障班
