多くの会社にお勤めの方はボーナスが出たのではないでしょうか。

物価の高騰により今年の夏はイベントや外出を控える傾向にあると見ている評論家の方もいましたが、実際はどうなるのでしょうか。

筆者は現在ボーナス制度ではありませんが、ボーナスが入るときにはいくらくらい入るのか楽しみにしていたものです。

自分自身も気になりますが、周りもどのくらいもらっているのかという点でも気になりました。

渡邉 珠紀

ボーナスや年金など、まとまったお金の話は誰にとっても気になるものですが、いざ自分の年金額となると、実際にいくら受け取れるのか把握できていない方も多いのではないでしょうか。老後資金というと遠い未来の話に思えますが、教育費や住宅費など目の前の支出と並行して考えなければならない場面は、思っているより早くやってきます。まずは平均的な受給額を知ることから、わが家の場合を考えるきっかけにしていただければと思います。

今回は年金額について、周りではどのくらいもらっているのか。「厚生年金」と「国民年金」の平均受給額を比較していきます。

1. この記事の3つのポイント

  •  厚生年金の平均月額は15万289円、国民年金は5万9310円で、いずれも男女差が大きい
  •  ライフコース別モデルケースでは、厚生年金中心か国民年金中心かで年金月額に大きな差
  •  国民年金のみの人は「付加年金」で受給額を上乗せでき、40年納付で2年で元が取れる計算

2. 2026年度の年金支給日スケジュール

公的年金は、原則として偶数月の15日に支給されます(15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日)。年金は後払い方式で、前月までの2カ月分がまとめて支払われるという仕組みです。

2026年度の年金支給日と支給対象月を見てみましょう。

2026年度の年金支給日カレンダー1/4

2026年度の年金支給日カレンダー

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」を参考にLIMO編集部作成

2.1 【2026年度】年金支給日と対象期間の一覧

  • 2026年4月15日:2026年2月と3月分
  • 2026年6月15日:2026年4月と5月分
  • 2026年8月14日:2026年6月と7月分
  • 2026年10月15日:2026年8月と9月分
  • 2026年12月15日:2026年10月と11月分
  • 2027年2月15日:2026年12月と2027年1月分

例えば2026年10月15日の支給日には、2026年8月と9月分の2ヶ月分が一度に支給されるということです。

給与を月に一度受け取っていた現役時代とは、家計管理のサイクルも変わってくるでしょう。

渡邉 珠紀

年金は現役時代の給与と違い、隔月でまとめて振り込まれる方式です。家計管理のリズムも変わってくるため、支給月と支給月の間をどう乗り切るか、早めにイメージしておくと安心です。毎月の給与に慣れていると、まとまった金額が振り込まれた月ほど気が緩みやすいものですが、2カ月分と捉えて計画的に配分する意識を持っておきたいところです。

3. 厚生年金と国民年金の平均月額と受給額分布

気になるのが「厚生年金」と「国民年金」の平均月額です。

ここでは厚生労働省の資料より、60歳~90歳以上のすべての受給権者における「平均年金月額」と「受給額分布」をご紹介します。

3.1 厚生年金の受給額:男女別の平均月額

厚生年金の平均額(全年齢)2/4

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金の金額を含む

3.2 厚生年金の受給額分布:1万円ごとの詳細

  • ~1万円:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上~:1万9283人

厚生年金の平均年金月額は15万289円ですが、男女別に見ると、男性が16万9967円、女性が11万1413円で、6万円近い開きが見られます。

渡邉 珠紀

平均額だけを見ると「自分もこれくらいはもらえるだろう」と思ってしまいがちですが、実際には加入期間や収入によって金額は大きく変わります。分布を見ても1万円未満から30万円以上まで幅広く、同じ厚生年金でもこれほど差があるのかと感じる方も多いのではないでしょうか。わが家の場合はどうなのか、平均はあくまで目安として捉えるようにしたいですね。

3.3 国民年金の受給額:男女別の平均と分布

国民年金の平均額(全年齢)3/4

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

3.4 国民年金の受給額分布:1万円ごとの詳細

  • 1万円未満:5万1828人
  • 1万円以上~2万円未満:21万3583人
  • 2万円以上~3万円未満:68万4559人
  • 3万円以上~4万円未満:206万1539人
  • 4万円以上~5万円未満:388万83人
  • 5万円以上~6万円未満:641万228人
  • 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
  • 7万円以上~:299万7738人

国民年金の平均年金月額は5万9310円。男女別に見ると、男性が6万1595円、女性が5万7582円となりました。

ボリュームゾーンを見ると、「6万円以上~7万円未満」が最も厚い層となっており、多くの人が満額に近い年金額を受け取っていることが読み取れます。

4. 現役時代の働き方で変わる年金額:ライフコース別のモデルケース

ここではライフコースごとの目安額を紹介します。

ライフコース別のモデル年金額4/4

ライフコース別のモデル年金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

4.1 モデルケース①:厚生年金中心の男性

《年金月額》17万6793円

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
  • 基礎年金:6万9951円
  • 厚生年金:10万6842円

4.2 モデルケース②:国民年金中心の男性

《年金月額》6万3513円

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36万4000円
  • 基礎年金:4万8896円
  • 厚生年金:1万4617円

4.3 モデルケース③:厚生年金中心の女性

《年金月額》13万4640円

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万1881円
  • 厚生年金:6万2759円

4.4 モデルケース④:国民年金中心の女性

《年金月額》6万1771円

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 基礎年金:5万3119円
  • 厚生年金:8652円

4.5 モデルケース⑤:第3号被保険者期間が中心の女性

《年金月額》7万8249円

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 基礎年金:6万9016円
  • 厚生年金:9234円
渡邉 珠紀

モデルケースを見ると、厚生年金への加入期間や現役時代の収入によって、年金月額に大きな差が出ることがよくわかります。私自身、40代で出産してから、教育費と老後資金の準備が同時に押し寄せてくる感覚を味わいましたが、こうした年金額の違いを知っておくことで、将来に向けた準備の優先順位も見えてくるように思います。特に国民年金中心のケースでは、厚生年金部分がわずかしかない分、老後資金全体に占める自助努力の割合がおのずと大きくなります。第3号被保険者期間が長い方も同様に、厚生年金部分が薄くなりやすい傾向があります。ご自身のライフコースがどのパターンに近いか、一度照らし合わせてみるとよいでしょう。

5. 年金受給額の目安を確認し、早めの資産形成を始めよう

本記事では、公的年金の基本的な仕組み、平均受給額、そしてモデルケースなどをご紹介しました。

筆者はファイナンシャル・アドバイザーとして日々お金の相談を受けますが、年金受給が近づいている50代、60代の方から「どのくらい年金が受け取れそうですか」という質問も多くいただきます。

是非今回の記事からご自身がどのくらい受け取れそうか参考にしてください。

その上で足りない場合は早めに準備をしていきましょう。

資産運用を取り入れるのも一つの手段ですが、1年2年など短期で増やそうと思うとリスクが高いものを選ばざるを得ません。

少しでも早く、そして長く運用することが資産運用のポイントにもなるので早めの行動を心掛けましょう。

6. 監修者からのひとこと:年金データを踏まえた資産形成の留意点

中本 智恵

今回のデータを整理すると、厚生年金の平均受給額は月15万289円、国民年金は月5万9310円ですが、ライフコース別のモデルケースを見ても、加入期間や現役時代の収入によって年金月額には大きな差が生じることがわかります。特に厚生年金は分布の幅が広く、平均像だけでは実態をつかみにくい点にも注意が必要です。

銀行の窓口でも、「平均額くらいはもらえるだろう」と考えていたお客様が、実際の見込み額を確認して驚かれる場面を数多く見てきました。特に厚生年金中心か国民年金中心かで受給額は大きく変わるため、ご自身の加入履歴を正確に把握しておくことが大切です。転職やパート勤務の期間が長い方は、厚生年金への加入期間が思っているより短くなっているケースもあるため、一度確認しておくと安心です。

国民年金のみの方には付加年金のような上乗せ制度もありますが、それだけで十分な老後資金を準備できるとは限りません。ねんきん定期便やねんきんネットで見込み額を確認したうえで、不足しそうな金額を早めに把握しておくとよいでしょう。特に自営業やフリーランスの方は、会社員と比べて公的年金の上乗せ部分が薄くなりやすいため、早い段階から意識しておくことが大切です。

そのうえで、預貯金の積み増しやNISA・iDeCoなどを活用した資産形成を、できるだけ早い段階から始めることをおすすめします。年金・貯蓄・資産運用をバランスよく組み合わせ、無理のない老後資金計画を立てていきましょう。特定の方法だけに偏らず、ライフステージの変化にあわせて配分を見直していく姿勢も大切です。

参考資料

渡邉 珠紀