世の中には、不安を煽って商売をしている人が大勢います。「あなたは悪霊が取り憑いているから除霊の壺を買いなさい」という感じです。
「老後資産が不足しているなら投資して儲けないと」と言って不安を煽って変な投資商品を売りつける輩が多いようなので、気をつけましょう。
もちろん、変ではない真っ当な金融商品を売りつける金融機関も多いようですが、いずれも我々を不安にさせることには変わりありませんから。
楽観論者の多くは淘汰された
今の日本に特有の事情として、楽観論者の多くがバブル崩壊後の長期低迷期に淘汰されてしまい、悲観論者しか表舞台に残っていない、ということもありそうです。
「景気は良くなります」と言っていた評論家は、見通しが外れつづけたので呼ばれないくなったでしょう。「景気が良くなるので工場を建てましょう」と言っていたサラリーマンは左遷されてしまったでしょう。
そこで、表舞台に立っている人は悲観的な人ばかりになってしまった、というわけですね。
サングラスをかけて明るさを観察中
上記のようなことを考えると、我々が普段接している情報は、真実よりも悲観的なものが多いということがわかります。我々が真実だと思って受け取っている情報は、じつは「サングラスをかけて部屋の様子を観察した結果」なのです。
そうだとすれば、「サングラスを通さないで観察したら、この部屋はどれくらい明るいのだろう」と考えてみる必要があるわけですね。
筆者は楽観派だと言われています。世の中の評論家の中で楽観的であることは自他共に認めます。しかし、もしかすると、筆者の発信が「サングラスをかけずに世の中を見た時の姿」なのかもしれません。
読者がそう思わないとすれば、それは「読者が自分のかけているサングラスの存在に気づいていないから」なのかもしれませんよ。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。
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塚崎 公義