ゴールデンウィークが終わり、日差しに初夏の気配が感じられる5月上旬となりました。

物価高が続くなか、「老後の生活は年金だけでまかなえるのだろうか」と不安に感じている方も少なくないかもしれません。

総務省の家計調査では、65歳以上の単身無職世帯の家計において、支出が収入を上回り、月平均で約3万円の赤字になっているという結果が報告されています。

この記事では、最新の統計データを基に、シニア世代の一人暮らしにおける家計の実情と、2026年度の年金額の具体例について詳しく解説していきます。

1. 65歳以上・単身世帯の家計簿。「年金だけでは足りない」は本当?月々の平均収支を検証

総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」を基に、65歳以上の単身無職世帯における1カ月あたりの家計収支データを確認します。

1.1 【最新データ】65歳以上・単身無職世帯の1カ月の家計収支

ひと月の実収入は13万1456円

■うち社会保障給付(主に年金):12万212円

ひと月の支出合計は16万1435円

■うち消費支出:14万8445円

  • 食料:4万2545円
  • 住居:1万1416円
  • 光熱・水道:1万5565円
  • 家具・家事用品:6069円
  • 被服及び履物:3049円
  • 保健医療:8388円
  • 交通・通信:1万3601円
  • 教養娯楽:1万6132円
  • その他の消費支出:3万1681円
    • うち諸雑費:1万4052円
    • うち交際費:1万6956円
    • うち仕送り金:591円

■うち非消費支出:1万2990円

  • 直接税:7072円
  • 社会保険料:5912円

収支の結果:単身無職世帯の家計状況

  • ひと月の赤字額:2万9980円
  • エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.6%
  • 平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):125.3%

老齢年金を受け取りながら一人で暮らすシニア世帯の家計は、どのような状況にあるのでしょうか。

この単身世帯の1カ月あたりの支出総額は16万1435円です。

内訳を見ると、税金や社会保険料といった「非消費支出」が1万2990円、食費や住居費などの「消費支出」が14万8445円となっています。

一方で、1カ月の収入は13万1456円であり、そのうち約9割にあたる12万212円が主に公的年金からの給付です。

エンゲル係数は28.6%、平均消費性向は125.3%という結果でした。これにより、この単身世帯は毎月2万9980円の赤字を抱えていることになります。

ただし、この家計収支データを見る際には注意点があります。

まず、支出項目に「介護費用」が含まれておらず、住居費も1万円台と比較的低額です。

健康状態や住まいの状況によっては、これらの費用がさらに加わる可能性を考慮する必要があります。

また、「非消費支出」が示すように、年金生活が始まっても税金や社会保険料の支払いは生涯にわたって続きます。

多くのシニアがこれらの費用を年金からの天引きで支払っている実情も踏まえ、年金収入と日々の生活費だけでなく、こうした固定費も考慮に入れた生活設計が重要になるといえるでしょう。