寒冷地では冬が長く、お庭が寂しい季節も長くなりがち。とくに日差しの届きにくい日陰のスペースは、「何を植えてもうまく育たないのに、雑草や苔は元気に生えてくる…」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

そんなときにおすすめしたいのが、寒さや日陰に強いグランドカバー植物。土を覆うように広がる植物を植えることで、雑草や苔を防ぐだけでなく、しっとりとした緑の絨毯が足元に広がり、空間に静かな奥行きが生まれます。

今回は、秋田県でガーデニングを楽しんでいる筆者が、寒冷地の日陰でも植えっぱなしで育つ、ローメンテな常緑グランドカバーを5種、参考価格とともに紹介します。雪が少ない時期や強い霜が降りる地域でも庭を彩り、雪に埋もれてもへっちゃらな、頼もしい植物たちです。

1. この記事で紹介する「寒冷地の日陰で育つ常緑グランドカバー」5種

斑入り葉のアジュガ1/9

青い花を咲かせている、アジュガ。葉は緑色や紫色で、クリーム色の斑入り

Cha.Gheysamool/shutterstock.com

  • アジュガ
  • ユキノシタ
  • ヒューケラ(ツボサンゴ)
  • フッキソウ
  • タマリュウ

どれも寒さと日陰に強い常緑多年草です。降雪の少ない寒冷地や、気温は低いけれど雪がない時期の日陰の庭を美しい葉で彩ってくれますよ。

記事後半では「日なた、日陰、半日陰、明るい日陰の違い」についても、わかりやすくお伝えします。

2. 寒冷地でも植えっぱなしOK!日陰にも寒さにも強い《常緑グランドカバー》5選

2.1 シックな葉色や斑入り葉などが美しい「アジュガ」

アジュガ2/9

青い花を咲かせている、アジュガ。葉は銅色

KanphotoSS/shutterstock.com

春になると立ち上がるように咲く、紫やピンクの小花が愛らしいアジュガ。葉色はシックなブロンズ色や明るい斑入りなどバリエーション豊かで、花の少ない時期でもお庭のおしゃれなアクセントとして活躍してくれます。

ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデン、モダンな雰囲気の庭など、さまざまな雰囲気に合わせやすいグランドカバー。日陰の玄関先の彩りや花壇の縁取りにもおすすめです。

かなり日陰に強く、1日1~2時間程度しか日が当たらない日陰でも生育可能。乾燥に弱いので水切れには注意しましょう。ランナーと呼ばれる細い茎を伸ばして広がりますが、広がりすぎたときの切り戻しは簡単です。

※参考価格:200~500円前後(3号ポット苗)

2.2 花も葉も楚々とした美しさの「ユキノシタ」

ユキノシタ3/9

白い小花を咲かせている、ユキノシタ

JIPEN/shutterstock.com

葉脈に沿って白い模様が入った、丸みのある葉が特徴的なユキノシタ。春の終わりころには細い茎をすっと伸ばし、清楚な白い小花を咲かせます。

ナチュラルガーデンや和風の庭、雑木の庭によく似合い、石組みの隙間や木陰にもおすすめです。派手さはないものの、しっとりとした日陰を美しく彩ってくれます。

午前中のみ日が当たる半日陰や明るい日陰で元気に育ちます。成長はゆっくりですが、ランナーを伸ばして増えるため、広がりすぎたら切り戻しましょう。水切れに注意してください。

※参考価格:300~600円前後(3号ポット苗)

2.3 バリエーション豊富で色鮮やかなカラーリーフ「ヒューケラ」

ヒューケラ4/9

ワインレッド、ライムグリーン、オレンジの葉を広げている、ヒューケラ。小さな花を咲かせている

Buquet Christophe/shutterstock.com

赤、オレンジ、紫、ライムグリーンなど、驚くほど多彩な葉色を持つヒューケラ。日陰でも一年中鮮やかな葉色で、暗くなりがちなスペースを明るくしてくれる頼もしい存在です。初夏には愛らしい小花も楽しめます。

小さなスペースにお気に入りの一株を植えたり、異なる色のヒューケラをパッチワークのように植えたりと、さまざまに活用できます。少し高さが出てこんもりと育つため、グランドカバーを兼ねた庭のアクセントにもおすすめです。

成長がゆっくりなので、雑草対策として植える場合は初めから少しつめて植えましょう。あまり手がかからず、育てやすい多年草です。

※参考価格:400円~900円前後(3号ポット苗)

2.4 光沢のある葉が美しく、落ち着いた風情が漂う「フッキソウ」

フッキソウ5/9

白い花を咲かせている、フッキソウ

Orest lyzhechka/shutterstock.com

つややかな深緑の葉が放射状に広がるフッキソウ。春には白く控えめな花を咲かせます。草丈が低いため多年草として扱われていますが、低木に分類される植物です。

一年中葉を落とさず、しっとりとした緑の姿を保ち続けてくれます。斑入り葉の品種は明るい印象で、洋風の庭や玄関先にもおすすめです。

成長がゆっくりで株姿が乱れにくく、病虫害にも強いため、かなりローメンテ。乾燥には注意してください。

※参考価格:300円~1000円前後(3号ポット苗)

2.5 スタイリッシュな葉がおしゃれ!ローメンテな「タマリュウ」

タマリュウ6/9

緑色の細い葉を密生させている、タマリュウ

J.NATAYO/shutterstock.com

濃い緑色の細い葉が密生するタマリュウは、日陰の庭でも青々とした姿を保ちます。目立った花や実はつかないものの、一年中葉色が変わらず、成長はとてもゆっくりなので、ローメンテで美しい庭を維持できるのが魅力です。

シンプルでナチュラルな雰囲気のため、どんなテイストの場所にもなじみます。草丈が低く、庭の飛び石周りや玄関アプローチ沿いなど、頻繁に人が通る場所にもおすすめです。

日陰から日なたまで場所を選ばず植えられる、育てやすい多年草です。ほとんど広がらないため、初めから密植しましょう。広い場所を覆いたい場合は「タマリュウマット」を敷き詰めると便利です。

※参考価格:50円~200円前後(2.5号ポット苗)、2400円~3000円前後(30×60cmマット)

3. 日陰と寒さに強いグランドカバー植物で、ローメンテ&美しいシェードガーデンづくり

今回は、寒冷地の日陰でも力強く育ち、足元を美しく彩ってくれる、日陰と寒さに強いグランドカバーを5種類ご紹介しました。植えてみたい多年草はありましたか?

だんだんと気温が上がってくる春~初夏に植えておくことで、夏の間にしっかりと根が張り、厳しい寒さにも耐えられる株に成長します。

日陰の空間は、しっとりとした空気や静寂な雰囲気を生かすことで、日なたとは違う落ち着いた魅力が生まれます。ご自宅の環境や雰囲気に合いそうな植物を選んで、すてきなシェードガーデンをつくってみてくださいね。

4. 【ガーデニング豆知識】日なた、日陰、半日陰、明るい日陰とは?

日なた・日陰・半日陰・明るい日陰の違い7/9

日なた、日陰、半日陰、明るい日陰の違いとは?

出所:LIMO編集部作成

さいごに「日なた、日陰、半日陰、明るい日陰の違い」も整理しておきましょう。

  • 日なた:1日中よく日光が当たる場所。または、日陰になる時間が1日2~3時間程度。
  • 半日陰:半日程度(1日3~6時間程度)日が当たる場所。または、日なたの木の下など、木漏れ日がさす場所。
  • 明るい日陰:1日を通して直射日光はほとんど当たらないが、外壁や窓などの反射光で、ある程度の明るさがある場所。または、1日1~2時間程度日が当たる場所。
  • 日陰:1日を通して日光がほとんど当たらない場所。

「日陰で育つ」と言われている植物の多くは「半日陰」や「明るい日陰」を好みます。完全な「日陰」で生育できる植物もありますが、そのような場所では花つきや葉色が悪くなりがちです。

可能であれば、少しでも明るい場所や、1日1~2時間でも日光が当たる場所を選んで植え付けると、育てやすくなりますよ。

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鈴森 真樹