6. 「夫婦二人なら安心」というわけではない?想定外の事態に備える老後資金計画
ここまで、70歳代・二人以上世帯の資産や収入の状況について見てきました。
平均値だけでなく中央値や分布を確認したことで、世帯ごとの格差や「貯蓄の取り崩し」という現実が見えてきたのではないでしょうか。
「人生100年時代」といわれる今、インフレや予期せぬ支出に備えるためには、まず「ねんきんネット」などを活用し、自分たちが将来受け取れる年金額を正確に把握することが不可欠です。
その上で、想定される生活費との差額を早い段階で認識し、貯蓄や資産運用で補う計画を立てることが、老後の安心へと直結します。
6.1 特に夫婦世帯が注意すべき「収入構造の変化」とは
さらに、夫婦世帯が決して忘れてはならないのが、「パートナーとの死別」によって家計の前提が根本から変わってしまうリスクです。
夫婦のどちらかが亡くなった場合、それまで受給していた2人分の年金は、1人分の老齢年金と遺族年金に切り替わります。
多くの場合、世帯全体の年金収入は大幅に減少します。
一方で、住居費や光熱費といった固定費は、世帯の人数が1人になっても半分になるわけではありません。
「2人ならなんとかなる」という計画だけでなく、「おひとり様になったときに家計は成り立つのか」という想定外の事態をあらかじめシミュレーションしておくことが、真に安定した老後生活を送るための鍵となります。
物価高という短期的な不安だけでなく、長い人生で起こり得るライフイベントを見据えた、多角的な資金計画を検討してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省「健康づくりサポートネット|健康寿命」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和8年分からの年金額等について」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」
- LIMO「70歳代ふたり以上世帯の貯蓄「中央値」は1178万円。平均値に隠れた格差の正体」
マネー編集部貯蓄班