ゴールデンウィークも終盤を迎え、連休明けの仕事や初夏のボーナス時期が気になり始めた方も多いのではないでしょうか。厚生労働省が発表した最新の統計では、業種によって賞与額に10倍もの開きがあるという衝撃の実態が浮き彫りとなりました。

今回は、最新の賃金・雇用動向に加え、格差が広がる単身世帯の資産形成事情についても深掘りします。

1. 【最新ボーナス事情】「9万円から94万円まで」働く業種で10倍差も。

2026年4月8日に発表された厚生労働省の「毎月勤労統計調査(令和8年2月分速報)」では、令和7年(2025年)の年末賞与の集計結果が公開されました。

調査によると、冬のボーナスは全体として堅調に推移しており、従業員5人以上の事業所における1人あたりの平均支給額は42万4889円(前年比2.8%増)となりました。月給換算では約1.08か月分となります。

《特別集計》令和7年年末賞与(一人平均)1/3

《特別集計》令和7年年末賞与(一人平均)

出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年2月分結果速報」

しかし、その内訳を見ると業種によって驚くべき格差が生じています。主要5業種の抜粋データは以下の通りです。

  • 電気・ガス業: 94万1438円(月給1.86か月分)
  • 情報通信業: 74万6758円(月給1.35か月分)
  • 複合サービス業: 51万2750円(月給1.80か月分)
  • 生活関連サービス業: 19万4018円(月給0.72か月分)
  • 飲食サービス業: 9万551円(月給0.46か月分)

トップの電気・ガス業が平均94万円を超える一方で、飲食サービス業などは約9万円という結果になりました。賞与体系は業種の特性やビジネスモデルによって大きく異なるものですが、最新の統計においては、業種間での支給額に約10倍の開きが生じているというデータが示されています。

こうした収入面での顕著な差は、次世代のキャリア選択や「将来の安定」を重視する意識にも、大きな影響を与えているようです。

2. 子どもや孫に勤めてほしい企業ランキング「公務員」が根強い人気!

法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社が実施した、未成年の子・孫を持つ保護者800人への調査結果では、将来への安定志向が色濃く反映されました。

2.1 【お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業・職種】

  • 1位:地方公務員(圧倒的な安定感で首位)
  • 2位:国家公務員(1位とともに公務員人気を独占)
  • 3位:トヨタ自動車(民間企業では不動のトップ)

保護者が重視するのは「経営の安定性」や「ホワイトな労働環境(過重労働・ハラスメントのなさ)」です。昨今の物価高を背景に、単なる安定だけでなく「生活を支える給与水準」を求める声も切実さを増しています。

このように「安定した収入」が職業選択の鍵となる一方で、得られた収入をどのように管理・運用しているかによっても、生活のゆとりにはさらなる違いが生まれています。

調査概要

  • 調査名称:第14回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査エリア:全国
  • 期間:2025年12月15日(月)~17日(水)
  • 調査対象者:未成年の子をもつ20~69歳の男女400人/未成年の孫をもつ20~69歳の男女 400人
  • 調査対象企業と選定方法:各業界の大手企業・組織200社を抽出
  • 有効回答数:800サンプル

3. 【単身世帯】年収1200万円以上「貯蓄6000万円超」7割以上を投資へ

収入の差は、そのまま将来の「資産形成」のスピードへと直結します。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」から、単身世帯のリアルな資産事情が見えてきました。

※本調査の「貯蓄」には、投資信託や株式などの金融資産を含みますが、日常的な決済用の普通預金は除外されています。

《単身世帯》種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)3/3

《単身世帯》種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」

高所得単身者の「攻め」の姿勢

年収1200万円を超える単身世帯の平均金融資産は6122万円に達します。特筆すべきは、その資産構成の72.9%が有価証券(株式・投資信託等)である点です。資産を現金で保有するだけでなく、積極的に運用へ回すことで資産を膨らませている傾向が顕著です。

鮮明になる二極化

対照的に年収300万円未満の世帯では、金融資産が1000万円を下回るケースが多く、日々の生活を優先し、運用に回す余力を確保することが課題となっています。

業種間の年収差に加えて、こうした「運用の有無」が加わることで、世帯間の経済的な二極化はより加速していくことが予想されます。

4. まとめにかえて

今回の統計から、業種による収入格差と、それを背景にした資産形成スピードの決定的な違いが見えてきました。ボーナス額の差や投資余力の有無は、個人の努力だけでは埋めにくい構造的な側面もあります。公務員人気に象徴される「安定」を求める心理の裏には、こうした先行きの不透明感があるといえるでしょう。

自分自身の置かれた環境を冷静に分析し、少額からでも「運用の力」を味方につけて資産を守っていく姿勢が、かつてないほど重要になっています。

参考資料

村岸 理美