2026年度の年金額は改定され、6月支給分(4月・5月分)から増額されます。

ただし、実際の増加幅は月1000円〜数千円程度にとどまり、体感しづらい水準です。

本記事では、年金はいくら増えるのか、あわせて60歳代の平均的な受給額の目安を解説します。

1. 年金は6月支給分からいくら増える?

2026年度の年金額は前年度から引き上げられ、国民年金で月額1300円、厚生年金(夫婦2人分)は月額4495円の増額となっています。

【2026年度】年金額の例

  • 国民年金(満額1人分):月額7万608円(前年度比+1300円)
    ※1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの場合は、月額7万408円(前年度比+1300円)です
    ※生年月日によって異なります
  • 厚生年金(夫婦2人分):月額23万7279円(前年度比+4495円)

この厚生年金の金額は、平均的な収入(賞与を含む月額換算で約45万5000円)で40年間会社員として働いた場合を想定し、夫婦2人分の老齢基礎年金を含めた水準です。

実際の金額は加入期間・収入により異なります。

2. なぜ思ったより増えないのか?

2026年度は年金額が引き上げられていますが、増加幅は月あたり1000円〜数千円程度にとどまるケースが多く、「思ったより増えていない」と感じやすい水準です。

その背景には、年金の伸びを調整する仕組みであるマクロ経済スライドがあります。

この制度では、少子高齢化による現役世代の減少を踏まえ、年金額が調整されます。

物価や賃金が上昇した場合でも、その上昇率から調整率を差し引いた分だけ年金額が引き上げられる仕組みです。
つまり、物価が上がれば年金も名目上は増えるものの、増加幅は一定程度抑えられます。

近年は食料品や光熱費などの物価上昇が続いており、年金額が増えていても、実質的な購買力の改善につながりにくい状況です。

制度上の調整と物価上昇が重なることで、数字上は増額されていても、生活の中では変化を感じにくい構造となっています。

3. 60歳代の平均年金額はいくら?

厚生労働省年金局「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」で公表されたデータをもとに、60歳代の平均年金額を紹介します。

60歳代の年金額は、厚生年金の場合で月15万円前後、国民年金のみで月6万円前後が目安です。

【厚生年金の平均年金月額】
<60~69歳>

  • 60歳:9万9664円
  • 61歳:10万4455円
  • 62歳:10万9323円
  • 63歳:6万8758円
  • 64歳:8万3901円
  • 65歳:14万9862円
  • 66歳:15万2378円
  • 67歳:15万2356円
  • 68歳:15万2709円
  • 69歳:15万1284円

【国民年金の平均年金月額】
<60~69歳>

  • 60歳:4万5186円
  • 61歳:4万6371円
  • 62歳:4万7784円
  • 63歳:4万7258円
  • 64歳:4万7896円
  • 65歳:6万1240円
  • 66歳:6万1369円
  • 67歳:6万1345円
  • 68歳:6万1293円
  • 69歳:6万978円

なお、国民年金(老齢基礎年金)は原則65歳からの支給となるため、60〜64歳で受給しているのは「繰上げ受給」を選択して減額された年金を受け取っている人たちです。

また、厚生年金の60~64歳では主に「特別支給の老齢厚生年金」など一部の年金のみが支給されるケースが多く、満額ではありません。63・64歳の数値が低いのは、生年月日によって特別支給の対象外となる世代が含まれていることなどが考えられます。

一方、65歳になると老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方が本格的に支給されるため、受給額が大きく増える仕組みです。

4. 老後の備えに向けて

自身の年金額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。

制度上の調整や物価上昇も踏まえ、自身の受給額や老後資金の準備は早めに確認しておくと安心です。

参考資料

円城 美由紀