課税世帯でも受け取れる手当や、手続きによって税負担を軽減できる制度は数多くあります。
2024年に拡充された児童手当をはじめ、育児休業給付や医療費控除などが代表例です。子育て世帯が知っておくべきお金の制度を、申請方法とあわせてわかりやすく解説します。
1. 子育て世帯が知っておくべき給付金・手当とは
近年は住民税非課税世帯向けの給付金が注目を集めていますが、課税世帯でも対象となる制度は多くあります。子育て世帯が受け取れる、代表的なものを見ていきましょう。
1.1 児童手当
2024年10月から制度が拡充され、所得制限が撤廃されました。中学生まで対象だった支給期間も、高校生相当年齢(18歳の年度末)まで延長されました。月額は3歳未満が1万5000円、3歳以上高校生年代までが1万円です。なお、第3子以降は年齢にかかわらず月額3万円となります。
なお、申請書類は原則として住所地の市区町村に提出します(※公務員の場合は勤務先へ申請します)。窓口のほか、郵送や電子申請に対応している自治体もあるため、手続き漏れがないよう確認しましょう。
1.2 児童扶養手当
児童扶養手当は、離婚・死別などにより父または母と生計を同じくしていないひとり親家庭等の生活安定と自立促進を目的とした国の制度です。18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(一定の障害がある場合は20歳未満まで)の児童を養育する父母または養育者が対象となります。
2026年度は子ども1人目の全部支給で月額4万8050円、2人目以降は1人につき1万1350円が加算されます。所得制限があり、前年の所得額や扶養親族数により全部支給・一部支給・支給停止に分かれます。
1.3 育児休業等給付
雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した場合、育児休業給付金が支給されます。育児休業給付金は、原則として休業開始から180日間は休業前賃金の67%、それ以降は50%が支給されます。
さらに2025年4月以降は「出生後休業支援給付金」が創設され、一定の要件を満たす場合、出生時育児休業給付金または育児休業給付金とあわせて給付率が80%相当となる期間があります。
手続きは事業主を通じて行うため、会社の担当者に早めに相談するとよいでしょう。
2. 「税負担」を減らす方法
給付金だけでなく、申請することで税金の負担を軽くできる制度もあります。ここ数年の物価上昇から家計を守るためにも、利用できる制度は有効活用しましょう。
2.1 医療費控除
1年間に支払った医療費(生計を一にする家族分を含む)が10万円(または総所得金額等の5%)を超えた場合、確定申告で医療費控除を申請できます。
納めすぎた税金の還付を受けられるだけでなく、課税所得が下がることで翌年の住民税額が減少します。歯科矯正や不妊治療なども対象になる場合があるため、領収書や医療費通知は整理して保管しておきましょう。
2.2 ふるさと納税
ふるさと納税は、控除上限額の範囲内で寄附を行うと、原則として自己負担額2000円を除いた金額について所得税・住民税の控除を受けられる制度です。ワンストップ特例を利用した場合は、控除額の全額が翌年度の住民税から控除されます。
住民税課税世帯ほど控除できる上限額が大きくなるため、課税所得が多い世帯にとっては、特に有利な制度といえます。
実質的には税金の前払いではあるものの、寄附額に応じた返礼品を受け取れるため、家計の節約につながります。
3. 申請期限を見逃さないためのポイント
各制度には、申請期限や手続きの締め切りが設けられているのが一般的です。市区町村や事業主から届く通知を見逃さず、確定申告(2〜3月)は各種控除の申請機会として活用しましょう。また、子どもの誕生・入学・卒業などライフイベントのタイミングで給付金の対象が変わる場合があるため、都度確認が必要です。
また、給付金・手当・減税制度は毎年のように改正が行われています。昨年対象外だった制度が今年から対象になることもあり、一度確認して終わりではなく「毎年見直す」姿勢が重要です。
市区町村の窓口や公式ホームページ、あるいは国税庁・厚生労働省の発信情報を定期的に確認する習慣をつけることで、受け取れるはずのお金を確実に把握できます。とくに子育て世代や、医療費が多くかかる家庭は注意深く確認しましょう。
4. まとめにかえて
給付金や控除は「知っている人だけが得をする」制度です。まずは自分が対象かどうか、市区町村の窓口や公式サイトで確認してみてください。医療費控除やふるさと納税なども活用し、家計の負担を軽減しましょう。
制度は毎年改正されるため、今年は対象外でも来年は対象になるケースも。なお、給付額や所得制限、申請方法は年度や自治体によって異なる場合があるため、利用前に必ず市区町村や関係機関の最新情報を確認しましょう。
参考資料
柴田 充輝