5月の大型連休が明け、さわやかな初夏の風に新緑が揺れる心地よい季節となりました。落ち着いた日常が戻るなかで、これからの生活設計や将来の資産づくりについて改めて見つめ直している方も多いのではないでしょうか。

こうした中、注目されているのが新NISAです。

新NISAのように、投資で得た利益が非課税になる仕組みは、長期的な資産形成において大きなメリットとなりますが、制度の特徴や具体的な効果を理解していないと、その恩恵を十分に活かせません。

また、実際にどれくらい資産が増えるのかは、積立額や運用利回り、期間によって大きく変わります。

本記事では、新NISAの基本的な仕組みとメリットを整理したうえで、具体的なシミュレーションを通じて資産形成のイメージを分かりやすく解説します。

1. 知っておきたい!新NISAの「メリット」とは?

NISA(ニーサ)は、資産形成を支援する制度として2014年にスタートし、2024年からは制度改正により「新NISA」として新たに運用されています。

最大のポイントは、投資によって得た利益が非課税になることです。

通常、売却益や配当には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用することで税負担がなくなり、利益をそのまま受け取ることができます。

新NISA「非課税」のしくみ1/3

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、投資できる金額や対象商品には一定のルールがあるため、あらかじめ制度の内容を理解しておくことが重要です。

1.1 「新NISA」で押さえておきたい6つの特徴

「新NISA」の主なポイントは以下の6点です。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  1. 非課税保有期間は無期限
  2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  3. 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  4. 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  5. つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  6. 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」と聞くと大きな資金が必要だと思われがちですが、現在は500円や1000円といった少額から始められる商品も増えています。

NISAを活用することで、投資信託や株式にも少額から取り組めるため、初心者でも始めやすい制度といえるでしょう。

次章では、毎月の積立を続けた場合に、将来どの程度の資産が形成できるのかをシミュレーションしていきます。

2. 【利回り別】50歳から65歳「毎月5万円」で積立投資を行った場合

ここでは、以下の前提条件をもとに、NISAを利用して積立投資を行った場合、どの程度の資産形成が期待できるのかを確認します。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

2.1 【試算結果を見る】「毎月5万円」×15年×「年1〜5%」で積立投資

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間にわたって毎月5万円を積み立てた場合、最終的には1000万円を超える資産形成が見込まれます。

元本は合計900万円ですが、運用状況によっては約70万円〜最大436万円ほどの利益が加わる可能性があります。

ただし、投資にはリスクが伴い、期待リターンが高くなるほどリスクも大きくなるため、その点を理解したうえで活用することが重要です。

3. 【積立額別】15年間で「2000万円」を目指す場合

老後に必要な資金は家庭ごとに異なりますが、ここでは2000万円を目標としたケースを想定します。

50歳から65歳までの15年間でこの金額を準備するには、毎月どの程度の積立が必要になるのかを試算します。

3.1 【試算結果を見る】「15年間」×3%で積立投資

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

試算の結果、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円を積み立てることで2000万円を超える資産形成が可能となります。

ただし、月9万円の積立は負担が大きく、また利回りも確実ではないため、想定通りに資産が増えない可能性がある点には注意が必要です。

そのため、老後資金の準備はできるだけ早い段階から始めることが重要です。

たとえば、30歳から65歳までの35年間、同じく年利3%で積立を行った場合、2000万円を目指すために必要な毎月の積立額は2万6971円まで抑えられます。

このように、積立期間を長く確保することで、毎月の負担を軽減しながら効率的に資産形成を進めることができます。

4. 【段階的に増やす資産形成】収入の増加にあわせて積立金額も増やした場合

少額から投資を始めたいものの、将来的には積立額を増やしたいと考える方も多いでしょう。

そのような場合は、収入の増加にあわせて段階的に積立額を引き上げる方法が有効です。

たとえば、最初は月1万円からスタートし、5年ごとに2万円ずつ増額していくと、25年間で合計1500万円の投資元本を積み上げることができます。

さらに、年利3%で運用した場合、最終的な資産は約1958万円となり、元本の約1.3倍に成長する試算です。

この方法は、無理なく始めて継続しやすい点が強みであり、初期の負担を抑えながら、収入が増えたタイミングで投資額を引き上げることで、生活への影響を最小限にしつつ効率よく資産形成を進められます。

長期投資では「続けること」が何より重要です。

まずは少額から始め、余裕が出てきたら積立額を見直すことで、現実的かつ着実に資産を増やしていきましょう。

5. 新NISAを活かすには「非課税」と「長期積立」の組み合わせが重要

本記事では、新NISAの基本的な仕組みとメリットを整理したうえで、具体的なシミュレーション結果を紹介しました。

新NISAは、投資による利益が非課税になることで、資産形成を後押しする制度です。

しかし、その効果を実感するためには、制度の特徴を理解したうえで、積立額や運用期間を適切に設計することが欠かせません。

シミュレーションからも分かるように、同じ条件でも利回りや積立額によって最終的な資産額は大きく変わります。

また、短期間で目標を達成しようとすると毎月の負担は大きくなりますが、長期で取り組めば無理のない範囲で資産形成を進めることが可能です。

リスクを踏まえつつ、自分に合ったペースで継続することが、将来の資産づくりにおいて重要といえるでしょう。

参考資料