新年度がスタートしてまもなく1カ月が経過する4月下旬、資産形成への関心も新たな局面を迎えているかもしれません。

多くの投資家から根強い人気を集めている投資信託が「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」です。

世界中の株式に分散投資できる手軽さから、NISAなどを活用した長期的な資産形成のコアとして選ばれている傾向にあります。

しかし、2026年3月は世界的な株式市場が調整局面に入った影響を受け、短期的なリターンは厳しい結果となりました。

この記事では、2026年3月31日時点の最新月次レポートを基に、オルカンの具体的な運用実績を詳しく掘り下げていきます。

短期的な価格変動の背景にある要因や、長期投資における現在の立ち位置について確認していきましょう。

1. 「オルカン」2026年3月の運用実績サマリー

  • 短期的には調整局面を迎え、過去1カ月の騰落率は▲6.8%、過去3カ月では▲3.6%とマイナス圏での推移となりました。
  • 一方で長期的な実績は堅調さを維持しており、設定来では+221.8%、過去1年でも+25.8%と、長期投資の有効性を示しています。
  • 3月は国内外の株価が下落しましたが、円安方向に進んだ為替要因がプラスに寄与し、基準価額の下落幅を和らげる結果となりました。
  • 構成を見ると、米国への投資が6割を超えており、NVIDIAやAppleといった情報技術セクターの銘柄がポートフォリオを牽引する構造に変わりはありません。

2. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用実績詳細データ

※本記事で紹介するデータは、すべて2026年3月31日時点のものです。

2.1 期間別の騰落率をチェック

ファンドの期間ごとの騰落率は、以下のようになっています。

  • 過去1カ月: ▲6.8%
  • 過去3カ月: ▲3.6%
  • 過去6カ月: 5.8%
  • 過去1年: 25.8%
  • 過去3年: 88.4%
  • 設定来: 221.8%

2.2 最新の資産構成比率

純資産総額に占める各マザーファンド受益証券の比率は次の通りです。

  • 先進国株式(除く日本): 83.1%
  • 新興国株式: 11.7%
  • 国内株式: 5.2%
  • コールローン他: 0.0%

2.3 主要マザーファンドごとの騰落率

主要な投資対象である各マザーファンドの騰落率は、以下の結果でした。

外国株式インデックスマザーファンド(先進国株式・除く日本)

  • 過去1カ月: ▲6.1% / 過去3カ月: ▲4.8% / 過去6カ月: 4.4%

新興国株式インデックスマザーファンド(新興国株式)

  • 過去1カ月: ▲10.3% / 過去3カ月: 3.1% / 過去6カ月: 13.8%

日本株式インデックスマザーファンド(国内株式)

  • 過去1カ月: ▲10.6% / 過去3カ月: 3.0% / 過去6カ月: 12.9%

2.4 投資先の国・地域別構成比(上位10)

投資対象となっている国・地域の上位10カ国と、それぞれの構成比率は以下の通りです。

  • アメリカ: 61.7%
  • 日本: 5.1%
  • イギリス: 3.4%
  • カナダ: 3.1%
  • 台湾: 2.6%
  • フランス: 2.2%
  • スイス: 2.1%
  • ドイツ: 2.0%
  • 韓国: 1.8%
  • ケイマン諸島: 1.6%

2.5 ポートフォリオを牽引する組入上位10銘柄

投資対象の全2480銘柄のうち、組入比率が高い上位10銘柄をご紹介します。

  • NVIDIA CORP(アメリカ/情報技術): 4.5%
  • APPLE INC(アメリカ/情報技術): 4.0%
  • MICROSOFT CORP(アメリカ/情報技術): 2.8%
  • AMAZON.COM INC(アメリカ/一般消費財・サービス): 2.2%
  • ALPHABET INC-CL A(アメリカ/コミュニケーション・サービス): 1.7%
  • ALPHABET INC-CL C(アメリカ/コミュニケーション・サービス): 1.6%
  • TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC(台湾/情報技術): 1.5%
  • BROADCOM INC(アメリカ/情報技術): 1.5%
  • META PLATFORMS INC-CLASS A(アメリカ/コミュニケーション・サービス): 1.3%
  • TESLA INC(アメリカ/一般消費財・サービス): 1.1%

2.6 基準価額の変動要因を分析(概算値)

オルカンの基準価額は、設定されてから現在までに+2万2176円上昇しています。

2026年3月の1カ月間(月初から月末まで)における基準価額の変動は▲2366円で、その内訳は以下の通りです。

  • 国内株式: 2026/3: ▲198円(設定来計: 1081円)
  • 先進国株式(除く日本): 2026/3: ▲2282円(設定来計: 1万2718円)
  • 新興国株式: 2026/3: ▲421円(設定来計: 1560円)
  • 為替要因: 2026/3: 536円(設定来計: 6918円)
  • その他(信託報酬等): 2026/3: ▲2円(設定来計: ▲101円)
  • 分配金(2025/9〜2026/3): 全て「-」(設定来計: 0円)
  • 基準価額(分配落後)2026/3: ▲2366円(設定来計: 2万2176円)

3. 短期的な下落局面とどう向き合うか

2026年3月の運用実績を振り返ると、世界的な株価指数の調整が直接的な影響をおよぼした格好です。

特に日本株式(▲10.6%)と新興国株式(▲10.3%)の下落が目立ち、先進国株式もマイナス圏に沈みました。

しかし、ここで注目したいのが「為替要因」の働きです。

株価が大きく値下がりした一方で、円安方向への為替の動きが+536円分(概算)のプラス効果をもたらし、基準価額がさらに下落するのを防ぎました。

1カ月で6.8%の下落と聞くと、不安に感じる方もいるかもしれません。

しかし、設定来のトータルリターンは+221.8%という高い水準を維持しており、長期保有によって成果が期待できる商品といえるでしょう。

価格の下落が続くと「売却したほうがよいのでは」と迷うこともあるかもしれません。

ですが、積立投資(ドル・コスト平均法)の観点では、このような下落局面は「より多くの口数を割安に購入できる機会」と捉えることもできます。

短期的な値動きに左右されることなく、長期的な視点で資産の成長を見守ることが大切です。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

※当記事は再編集記事です。

【免責事項】

本記事は、公開されている運用報告書などのデータに基づいて作成されています。

特定の金融商品の購入や売却を推奨する目的のものではありません。

記事内に記載されている過去の運用実績は、将来の成果を保証するものではないことをご留意ください。

投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

参考資料