4. 株価を圧迫する「AIの脅威」と会社の衝撃的な回答

業績の不透明感に加えて、SHIFTの株価を根本から揺さぶっているのが「AI技術の急激な進化」です。

SHIFTの事業構造を見ると、「ソフトウェアテスト関連サービス」が売上全体の約65%(473億円)を占める圧倒的な主力事業となっています。

しかし昨今、AIの進化により、人間が手作業で行っていたバグチェックをAIが高精度に行えるようになってきました。特に話題となったAI「Claude(クロード)」の派生モデルなどが、複雑なバグを瞬時に見つけ出す能力を示したことは、テスト事業を主力とするSHIFTにとって真正面からの脅威となります。

SHIFTのセグメント別売上構成4/4

SHIFTのセグメント別売上構成

出所:出所:株式会社SHIFT 2026年8月期第2四半期決算短信を基にイズミダイズム作成

この点について、投資家からも「AIによって開発・テスト業務はなくならないのか?」という切実な質問が多数寄せられているようです。

これに対する会社の回答は、市場を驚かせるものでした。会社は決算説明会資料の中で、「将来的になくなる可能性があると予想しています」と潔く認めているのです。

泉田氏はこの事実が株価に与える影響の大きさを次のように指摘します。

「会社自体がこの売上8割、9割近くあるところが将来的になくなると思いますって言っちゃってるっていうところの衝撃、それがやっぱ株価にもろに反映されている」

もちろん、会社側もただ手をこまねいているわけではありません。既存事業にAIを組み込む「With AI」の段階から、最初からAIを前提としたビジネスプロセスを構築する「Native AI」の時代へとシフトしていく中長期的な戦略を描いています。

しかし、AIが自律的にプロセスを設計する「AI BPaaS」などの新規領域は、現時点では売上構成の約0.3%(ほぼゼロ)に過ぎません。

主力事業の消失リスクが現実味を帯びる中で、新たな収益の柱が育つまでのタイムラグを市場は警戒しているのです。

【動画で解説】一体なぜ、市場はSHIFTに対して厳しい評価を下した?