6月に入り、シトシトと雨が降る日が多くなってきました。長雨が続くとガーデニングのお手入れも滞りがちになり、お庭に出るのが少し億劫に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どんよりとした梅雨の時期だからこそ、雨露に濡れることでより一層輝きを増す植物も存在します。お手入れの機会が減るこの季節には、環境さえ合えば毎年の植え替えなしで、季節の訪れとともに花を咲かせてくれる「宿根草」を取り入れるのがおすすめです。
今回は、しっとりとした梅雨の空気に馴染み、お庭の景観を美しく彩ってくれる優秀な宿根草を、参考価格とともに紹介します。
1. この記事で紹介する「梅雨シーズンの定番花、美しい宿根草」
- アスチルベ: 霧のようにふんわりとした花穂が、雨の庭に幻想的な雰囲気を漂わせます。
- アストランティア: まるで繊細な宝石のような花姿で、ナチュラルガーデンを優しく彩ります。
- アルケミラ・モリス: 丸く柔らかな葉に雨粒がコロコロと溜まる姿が美しく、名脇役として活躍します。
2. 《梅雨シーズンの定番花》しっとり美しい宿根草3選。雨の庭がパッと明るく!
雨の日でも窓から眺めたくなるような、情緒あふれる美しい植物たちです。それぞれの魅力と特徴を見ていきましょう。
2.1 アスチルベ
細かく枝分かれした茎に、ふんわりとした綿毛のような花を無数に咲かせるアスチルベ。白や淡いピンク、赤などの優しいカラーが、梅雨時のどんよりとした空気を柔らかく和ませてくれます。
強い直射日光を嫌い、半日陰で少し湿り気のある環境を好むため、まさに梅雨の時期や日陰のお庭にぴったりの植物です。
ただし、水はけが悪いと梅雨どきを中心に白絹病や灰色かび病などの病気が発生しやすくなるため、風通しと水はけの良い土壌で育てるのがポイントです。
雨に濡れても花が傷みにくく、長く美しい姿を保ってくれます。お庭で楽しむだけでなく、切り花として室内に飾ったり、ドライフラワーにしてアンティークな雰囲気を楽しんだりするのもおすすめです。
※参考価格:500円~1000円前後(3号ポット苗)
2.2 アストランティア
星のような形をした苞(ほう)の中心に、小さな花がドーム状に集まって咲くアストランティア。
その精巧な細工物のような花姿は、野趣に富むふんわりと優しい雰囲気があり、自然な風情のナチュラルガーデンにぴったりの宿根草です。
白やルビーレッド、パープルといった落ち着いたトーンの花色が、初夏のお庭に気品を与えてくれます。冬には地上部が枯れて休眠しますが、春になると再び美しい葉を展開します。
涼しい気候を好み、半日陰で育てるとよく育ちますが、日本の高温多湿の夏はやや苦手です。
※参考価格:800円~1000円前後(3号ポット苗)
2.3 アルケミラ・モリス
アルケミラ・モリスは、細かい産毛に覆われた丸みのある葉が特徴的な宿根草です。この葉には水を弾く性質があり、雨が降ったあとに水滴がコロコロと宝石のように乗る姿は、梅雨の時期ならではの美しい光景です。
初夏には、ライムイエローの細かく控えめな花をカスミソウのようにふんわりと咲かせます。主張しすぎない色合いと草姿で、バラなど他の主役級の花を引き立てる名脇役としても重宝します。
高温多湿による蒸れにはやや弱いため水はけの良い場所を選んで植え付けますが、極端な乾燥も苦手です。土が乾きすぎないよう、適度な湿り気を保つように管理するのが美しく育てるコツです。
※参考価格:400円~700円前後(3号ポット苗)
3. まとめ
長雨や日照不足で気分が沈みがちな梅雨のシーズンですが、この時期だからこそ見せてくれる植物たちの美しい表情があります。
雨粒をまとい、しっとりと輝く花や葉の姿は、私たちの心に穏やかな癒しをもたらしてくれます。
今回ご紹介した宿根草は、どれも一年草のように毎シーズンの植え替えが不要な優秀な植物です。数年に一度、大きく育った株を掘り上げて切り分ける「株分け(植え直し)」でリフレッシュさせてあげることで、毎年その美しさを長く楽しませてくれますよ。
お天気がすぐれない日でも、窓辺からお庭を眺めるのが楽しみになるような、あなただけのお気に入りの花をぜひ見つけてみてくださいね。
3.1 【読者のみなさまへ】楽しく安全にガーデニングを楽しむために
- 植物は生き物です。本記事で紹介している育て方は一般的な目安であり、お住まいの地域の気候や、育てる場所の日照条件、苗の個体差などによって、開花時期や生育スピードが異なります。記事の記載通りに管理しても、必ずしもうまく育つとは限りませんのであらかじめご了承ください。
- 植物や品種ごとの詳しい管理方法や最新の注意点については、購入時に付属している「品種タグ(ラベル)」や説明書を必ずご確認ください。
- 植物の中には、人間やペットにとって有害な成分を含むものがあります。特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、誤飲・誤食などのトラブルを防ぐため、植え場所や置き場所、管理に十分ご注意ください。
- 植物のトゲや、剪定・植え替え時に出る樹液に触れることで、ケガやかぶれを引き起こす場合があります。お手入れの際は、園芸用手袋などの着用をおすすめします。
- 品種登録されている植物(「PVP」マークがあるものや、農林水産省の「流通品種データベース」に登録されているもの)を、挿し木や株分けなどで増殖させる行為は、ご自宅などで個人的に楽しむ範囲にとどめてください。無断で他者へ譲渡(有償・無償問わず)したり、フリマアプリ等で販売したりすることは種苗法により法律で禁止されています。(参考:農林水産省 品種登録ホームページ )
- 繁殖力の強い植物(一部のハーブ類やグランドカバーなど)を地植えにする際は、ご自宅の敷地外や自然界へ広がってしまわないよう、根域制限などの適切な管理や周囲へのご配慮をお願いいたします。
- 記事で紹介する商品情報および価格などは、執筆時点のものです。閲覧時点においては、販売状況や価格等が異なる可能性がございます。また、「参考価格」として記載している草花については、販売店や苗のサイズ・状態によって実際の店頭価格と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
- 記事で紹介する一年草には、本来は多年草でも「日本の気候では一年草扱い」とされている植物も含まれています。
- 集合住宅でガーデニングを始める際は、必ず事前にお住まいの物件の管理規約を確認しておきましょう。避難経路の確保や排水口の管理、床面の重量制限といったルールを守り、近隣への配慮を心がけることが、美しいベランダガーデンを長く楽しむための大切なポイントです。
4. 【ガーデニング豆知識】日なた、日陰、半日陰、明るい日陰とは?
さいごに「日なた、日陰、半日陰、明るい日陰の違い」も整理しておきましょう。
- 日なた:1日中よく日光が当たる場所。または、日陰になる時間が1日2~3時間程度。
- 半日陰:半日程度(1日3~6時間程度)日が当たる場所。または、日なたの木の下など、木漏れ日がさす場所。
- 明るい日陰:1日を通して直射日光はほとんど当たらないが、外壁や窓などの反射光で、ある程度の明るさがある場所。または、1日1~2時間程度日が当たる場所。
- 日陰:1日を通して日光がほとんど当たらない場所。
「日陰で育つ」と言われている植物の多くは「半日陰」や「明るい日陰」を好みます。完全な「日陰」で生育できる植物もありますが、そのような場所では花つきや葉色が悪くなりがちです。
可能であれば、少しでも明るい場所や、1日1~2時間でも日光が当たる場所を選んで植え付けると、育てやすくなりますよ。
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