毎日の生活の中で、老後について考える時間はどのくらいありますか?「全く考えていない」という方は、定年退職が迫ってから焦りを感じることになるかもしれません。その時期から老後のための貯蓄を始めたとしても、十分な金額を備えるのはかなり難しいでしょう。
そんな状況に陥らないためにも、老後資金の予算や70代の貯蓄状況を知っておきましょう。あわせて知っておきたい、貯蓄のヒントもお伝えしますね。
70歳以上の貯蓄状況
定年退職を迎える時期には個人差がありますが、70歳を超えると多くの人が現役を引退しているはず。では、70歳以上の世代はどのくらいの貯蓄があるのでしょうか。知るぽるとによる「平成30年(2018年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」をもとにみていきます。
この調査の結果から、金融資産をもっていない世帯を含む70歳以上の貯蓄平均額は1780万円、中央値は700万円と分かりました。また、貯蓄額ごとの割合は以下のようになっています。
3000万円以上:18.3%
2000から3000万円未満:9.6%
1500から2000万円未満:5.6%
1000から1500万円未満:8.7%
700から1000万円未満:4.8%
500から700万円未満:6.3%
400から500万円未満:1.9%
300から400万円未満:2.7%
200から300万円未満:2.6%
100から200万円未満:1.7%
100万円未満:2.5%
金融資産非保有:28.6%
※無回答:6.7%
驚くことに、28.6%もの世帯が金融資産をもっていないことが判明しました。その一方、3000万円以上の金融資産も2割近く存在します。これらの状況をふまえ、老後の貯蓄状況は二極化が進んでいるといえるでしょう。
老後を不安視する人々
先ほどのデータを見てみると、老後の貯蓄に対する焦りを感じた人もいるのではないでしょうか。金融広報中央委員会が2018年11月に発表した「家計の金融行動に関する世論調査 [二人以上世帯調査]」でも、老後に不安を感じている人の多さを知ることができます。
この調査では、「老後の生活への心配がどのくらいあるか」という問いに以下のような回答が寄せられました。
【老後の生活について】
「非常に心配」…36.2%
「多少心配」…43.0%
【老後の生活が心配な理由】
「年金や保険が十分ではないから」…72.6%
「十分な金融資産がないから」…69.0%
ご覧のように、8割近くの人が老後の生活に不安を抱えています。「年金や今の金融資産だけで生活を送れるのか」といった悩みだけでなく、「今の生活に余裕がなく、老後に備えた貯蓄をしていないから」「退職一時金だけでは足りないから」という回答も。年金や退職金だけを頼りにはできない、という現状がうかがえます。