3. 少数株主は守られるのか?独立委員会とプレミアム
「強制的に追い出される」と聞くと、一般の投資家は損をしてしまうのではないかと不安になるでしょう。しかし、日本の法制度や市場ルールでは、少数株主の利益を不当に害さないための保護メカニズムが用意されています。
泉田氏も、この点について次のように補足しています。
「スクイーズアウトでは合法的に株主を追い出せるっていうケースがあるので、そこで出ていくそれなりの対価を払う。対価を払った上で、出ていってもらうということになります」
3.1 1株40円のスクイーズアウト対価
2026年3月31日に公表されたスポンサー基本契約によれば、既存株主が追い出される際に支払われるスクイーズアウト対価は「1株40円」に設定されています。
注目すべきは、スポンサーであるJ-INCが第三者割当増資で引き受ける際の価格が「1株28.4円」であるのに対し、一般株主に支払われる対価が「40円」となっている点です。
これは、第三者割当価格に対して約41%の「プレミアム(上乗せ幅)」がつけられていることを意味します。
第三者割当価格とスクイーズアウト対価の比較2/5
出所:株式会社ブイキューブ「スポンサー基本契約の締結、第三者割当による新株式の発行及び定款の一部変更並びに株式併合及び単元株式数の定めの廃止に関するお知らせ」(2026年3月31日)を基にイズミダイズム作成
3.2 独立委員会とマーケット・チェックによる客観性の担保
実は、企業側が勝手に安い値段を設定できない仕組みがあります。
スポンサー基本契約によれば、ブイキューブは全員が社外の独立役員4名からなる「独立委員会」を設置し、この取引が一般株主にとって不利益でないかを慎重に検討しています。
さらに、「マーケット・チェック」と呼ばれる手続きも実施されます。これは、J-INC以外の第三者から、より良い条件での買収提案を受け付ける期間(2026年4月21日15時まで)を設けることです。
もし、他の企業が「40円よりも高い値段で買いたい」と提案してきた場合、ブイキューブはそちらに乗り換えることができる「Fiduciary Out(フィデューシャリー・アウト)条項」も契約に盛り込まれています。
このように、スクイーズアウトにおいては、少数株主が極端に不利な条件で追い出されないよう、客観的なプロセスが踏まれるのが一般的です。