3.1 デメリットと慎重に検討すべきリスク
一方で、期間が長いゆえのデメリットには注意が必要です。
■利息総額の増加
借入期間が延びる分、支払う利息の総額は35年ローンに比べて大幅に増えます。シミュレーションでは総返済額に1000万円以上の差が出るケースもあり、トータルの住居コストは高くなります。
■ローン残高の減少が極めて遅い
最大の懸念点は、借金の減り方が非常に緩やかであることです。国土交通省「住宅ローンの常識が変わる!?」リーフレットによると、30歳で借入れ、60歳になった時点(30年経過後)でも、ローン残高は当初の54%、半分以上も残っている試算として記載があります。 同時期に20%まで減っている35年ローンと比較すると、その差は顕著です。
■老後の住み替えへの影響
定年退職などで収入が減少する60代以降にローンが半分以上残っていると、売却しようとしても「売却価格がローン残高を下回る」リスクが高まります。これにより、住み替えや老人ホームへの入居などの選択肢が制限される可能性があることは、あらかじめ覚悟しておくべき点です。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)