1. 働きながら年金を受け取る人は要確認。「在職老齢年金制度」が2026年度に見直しへ

物価上昇が続くなか、年金だけで老後の生活費をまかなうことに不安を感じる人も少なくありません。こうした背景から、60歳以降も働きながら年金を受け取るという選択肢に注目が集まっています。

そこで押さえておきたいのが、「在職老齢年金制度」です。

この制度は、老齢厚生年金を受け取りながら働く人に関わる仕組みで、給与や賞与と年金額の合計が一定の基準を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります。

具体的には、毎月の給与や賞与をもとにした報酬と、老齢厚生年金の月額を合計し、その金額が一定の基準を超えた場合に、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります。

なお、調整の対象となるのは老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は支給停止の対象ではありません。

これまで、この制度については「収入が増えると年金が減るなら、働く時間を抑えたほうがよい」といった就業調整につながりやすいとの指摘がありました。

2026年4月以降は、給与や賞与をもとにした報酬と老齢厚生年金の合計が月65万円以下であれば、老齢厚生年金は全額支給されます。

2025年度の月51万円から大きく引き上げられるため、これまで年金の一部が支給停止となっていた人のなかには、2026年度以降、減額されずに受け取れる人も出てくるでしょう。

今回の見直しによって、「働くほど年金が減る」という印象はやわらぐ可能性があります。特に、再雇用制度などを利用して働く60歳代の会社員にとっては、給与収入と年金を両立しやすくなる場面が増えるでしょう。

一方で、どのくらい働くか、いつまで働き続けるかは、収入だけで決められるものではありません。健康状態や家族の状況、生活費、老後資金の見通しなども踏まえて、自分に合った働き方を考えることが大切です。