その一方で、現状の有給取得について満足している人もいます。

・「ハラスメント撲滅の風土が浸透して、有給の申請書に取得理由を記入する必要がなくなったから」(正社員、40代男性)

・「むしろ利用すべきという雰囲気がある」(正社員、40代男性)

・「年に14日必ず取得しなければならない有給があり、取得できない場合は会社の責任になるため、安心して有給が取得できます。さらにそのうち5日間は連続して取得しないといけないため、旅行の計画も立てやすい」(正社員、30代女性)

会社として制度がしっかりと機能しているという意見が多く、中には「有給とはべつに『チャイルドケア休暇』があり、使い切れないくらい有給がある」(正社員、30代男性)といった羨ましい回答も。

会社として制度が確立されていれば、職場も「取りにくい」雰囲気にならないのかもしれません。

「働き方改革」で取得しやすくなったという声も

労働基準法改正の影響で、「有給取得しやすくなった」という声も多くありました。

・「働き方改革の推進で有給休暇取得率の向上に努めており、社員全員が年間12日以上の有給取得がMUSTという風潮に。休みやすい環境になっています」(正社員、40代男性)

・「以前は決して好きに取れる感じではなく、インフルエンザなどの病気の時にあてたりしていた。今年から積極的に取得しようという上司の方針で、所定の休みに月1回プラスして休めることになりました」(正社員、40代男性)

・「法的に有給が義務化されたため、しっかりと有給を取れるようになった」(パート、20代女性)

「働き方改革」で有給取得できるようになったのは、とても喜ばしいことだと思います。しかし「取得できても周囲のサポートがないので、休み明けが大変なことになる」という声もあり、人手不足の時代に「サポート体制」をどうするのか、という点が喫緊の課題といえるでしょう。

法的に義務化されても…

「不満がある」とした人の中にこのような回答がありました。

・「今年から働き方改革で5日間の有給取得が義務化されましたが、その分夏休みが取得できなかったり休日出勤させられたりすると思います」(正社員、50代男性)

有給取得が義務化されても、「取得しにくい雰囲気」の改善には程遠い職場も存在するようです。有給を取得したせいで、休日出勤が増えてしまっては意味がありません。

「社員は有給を取得するもの」という認識のもと、それでも仕事に支障が出ないように環境を整備していくことが求められています。また公的機関などのチェック体制も必要なのかもしれません。
「働き方改革」が本当の意味で、労働者の労働環境改善に寄与することを願います。

【参考】
年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説』厚生労働省

LIMO編集部