2019年4月から労働基準法改正により、すべての企業で年5日の有給休暇取得が義務付けられました。対象は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者で、管理監督者を含んでいます。使用者は時季を指定して取得させることが義務付けられています。
「働き方改革」が少しずつ実施・浸透していますが、実際の職場での有給取得はどのような状況なのでしょうか。
「有給取りにくい」のはなぜか
「あなたの会社の有給取得に不満はありますか?」というアンケートを実施し、有効回答数100人(わからない3人)中54人が「はい」と回答しています。
・「上司がそれとなく自分が同じ年齢くらいの時は有給が取れなかったと隣から言ってくる」(正社員、30代女性)
・「なかなか取得できる雰囲気ではないから。もう少し取得しやすいサポートがほしい」(正社員、20代男性)
・「有給休暇があるかどうかさえわからない。20年以上勤めてきて、一度も有給休暇を取得していない。社長に有給休暇の話をすると、機嫌が悪くなるので話ができない」(正社員、40代男性)
・「誰も有給を取らないので非常に取りにくい。上司が率先して取ってほしい」(正社員、20代男性)
・「パートとして勤務しているのですが、有給休暇がついています。しかし、実際にはシフトの問題などから有給休暇を取得することができない状況にある」(パート、30代女性)
・「人手が足りていないため、結局有給消化できない。取れても日にちを選べない」(正社員、30代男性)
有給制度がそもそもあるのか分からない、制度があっても取得できる雰囲気ではない、人手不足で無理…など、職場環境によって取得できない場合が多いようです。
もっとも多い理由が「職場の雰囲気」で18人、続いて「人手不足」が16人とほぼ同数となっています。その他、「就業規則で取得方法を決められている」など、自由に有給を取れるような状況ではない人もいるようです。