3. 【信越化学工業(4063)】株主還元は「積極化」業績は反発待ち

続いて業績と株主還元の状況も押さえておきましょう。

3.1 減益トレンド続く 塩化ビニルが苦戦

2026年3月期は減収減益の計画です。第3四半期累計は売上高が前年同期比0.2%増、営業利益は同14.8%減となりました。通期では売上高が前期比6.3%減、営業利益は同14.4%減を予想します。

半導体シリコンウエハーなどの電子材料は堅調で、AI向けの先端分野がけん引しています。一方、塩化ビニルなどの生活環境基盤材料は中国からの輸出を主因に軟調であり、全体の減益につながっています。

信越化学工業の業績(2016年3月期~2026年3月期)2/3

信越化学工業の業績(2016年3月期~2026年3月期)

出所:信越化学工業株式会社「決算短信」より著者作成

3.2 配当金は10年前の「4.8倍」自社株買いも大型化

業績は苦戦していますが、株主還元は強化しています。2026年3月期は1株あたり106円の配当金を予定しており、10年前の4.8倍の水準にあります。

信越化学工業の株主還元(2016年3月期~2026年3月期)3/3

信越化学工業の株主還元(2016年3月期~2026年3月期)

出所:信越化学工業株式会社「決算短信」および信越化学工業株式会社「適時開示情報」より著者作成

自社株買いも積極的で、2022年3月期以降は毎年1000億円以上を実施してきました。先述した最大5000億円の自社株買いは、2026年2月までにほぼ消化しています。