4.3 国民年金の男女別平均月額と受給額分布

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

4.4 国民年金の受給額分布(1万円ごと)

  • 1万円未満:5万1828人
  • 1万円以上~2万円未満:21万3583人
  • 2万円以上~3万円未満:68万4559人
  • 3万円以上~4万円未満:206万1539人
  • 4万円以上~5万円未満:388万83人
  • 5万円以上~6万円未満:641万228人
  • 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
  • 7万円以上~:299万7738人

国民年金の平均年金月額は男女全体、男性・女性ともに5万円台です。上のグラフが示すとおり、「月額1万円未満~7万円以上」と分布していることがわかります。

国民年金では満額が固定されていることから、厚生年金ほどばらけることはありません。

ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」となっており、多くの人が満額を受け取れていることも読み取れます。

5. モデルケースで見る「65歳以上・無職夫婦世帯」の家計収支

この章では、65歳以上無職の夫婦世帯と単身世帯のひと月の家計収支を見ていきます。

総務省が公表する「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」を参考にしましょう。

5.1 65歳以上・無職夫婦世帯の収入内訳

  • 実収入:25万4395円
  • うち社会保障給付:22万8614円 ※主に年金

5.2 65歳以上・無職夫婦世帯の支出内訳

  • 実支出:29万6829円
  • うち消費支出:26万3979円

消費支出とは、いわゆる生活費のことです。内訳は以下のとおりです。

  • 食料:7万8964円
  • 住居:1万7739円
  • 光熱・水道:2万3540円
  • 家具・家事用品:1万1237円
  • 被服及び履物:5354円
  • 保健医療:1万7941円
  • 交通・通信:3万1325円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万6538円
  • その他の消費支出:5万1341円
    • うち諸雑費:2万2047円
    • うち交際費:2万3257円
    • うち仕送り金:1135円

なお、非消費支出は3万2850円となっており、内訳は次のとおりです。

  • 直接税:1万2547円
  • 社会保険料:2万296円

この夫婦世帯の場合、ひと月の実収入25万4395円に対し、支出は合計29万6829円で、月の家計収支は4万2434円の赤字となっています。

6. モデルケースで見る「65歳以上・無職単身世帯」の家計収支

続いて、単身世帯の家計収支も同様に見ていきましょう。

6.1 65歳以上・無職単身世帯の収入内訳

  • 実収入:13万1456円
  • うち社会保障給付:12万212円 ※主に年金

6.2 65歳以上・無職単身世帯の支出内訳

  • 支出:16万1435円
  • うち消費支出:14万8445円

消費支出の内訳は次のとおりです。

  • 食料:4万2545円
  • 住居:1万1416円
  • 光熱・水道:1万5565円
  • 家具・家事用品:6069円
  • 被服及び履物:3049円
  • 保健医療:8388円
  • 交通・通信:1万3601円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:1万6132円
  • その他の消費支出:3万1681円
    • うち諸雑費:1万4052円
    • うち交際費:1万6956円
    • うち仕送り金:591円

非消費支出の平均は1万2990円でした。

  • 直接税:7072円
  • 社会保険料:5912円

単身世帯の場合は、ひと月の実収入13万1456円に対し、支出は合計16万1435円で、月の家計収支は毎月2万9980円の赤字となっています。

7. 国民年金の受給額を増やす「付加年金」という選択肢

働き方の多様化する中で、厚生年金に加入しないフリーランスや自営業の方なども増えています。

一方で、国民年金しか受け取れないとなると、老後の年金が少なくなる傾向にあります。

国民年金の受給額を増やす方法のうち、今回は「付加保険料の納付」について解説します。

国民年金付加年金制度14/14

国民年金付加年金制度

出典:日本年金機構「国民年金付加年金制度のお知らせ」

付加年金とは、「付加保険料(月額400円)」を定額の国民年金保険料(2026年度は1万7920円)に上乗せで支払うことで、将来の年金額を増やすことができるしくみです。

7.1 付加保険料を納付できる対象者

  • 国民年金第1号被保険者
  • 65歳未満の任意加入被保険者

7.2 付加保険料を納付できない対象者

  • 国民年金保険料の納付を免除されている人(法定免除、全額免除、一部免除、納付猶予、または学生納付特例)
  • 国民年金基金の加入員である人

個人型確定拠出年金(iDeCo)と付加年金には、同時に加入することができます。ただし、個人型確定拠出年金の納付額によっては併用ができない場合もあるので注意が必要です。

7.3 40年間、付加保険料を納付した場合のシミュレーション

20歳から60歳の40年間、付加保険料を納付したとしましょう。

65歳以降に受け取れる「付加年金額」は「200円×付加保険料納付月数」で試算できます。

  • 40年間に納付した付加保険料の総額:19万2000円(400円×480カ月)
  • 65歳以降に受け取れる付加年金額(年間):9万6000円(200円×480カ月)

40年間に納付した付加保険料は19万2000円。毎年の年金受給額に9万6000円が上乗せされることから、2年で元が取れる計算です。

8. まとめ

今回は、公的年金の仕組みから年齢別の平均受給額、そして年金生活者の家計の実態まで、具体的なデータをもとに詳しく見てきました。

ご自身の状況や将来の生活設計と照らし合わせて、新たな発見や気づきがあったのではないでしょうか。

厚生年金は現役時代の働き方によって受給額が大きく変わる一方、国民年金は比較的差がつきにくい構造であることがわかります。

また、平均的な家計収支では、年金収入だけでは赤字になるケースも示されており、老後資金の準備の重要性を改めて感じさせられます。

将来の年金額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますので、まずはご自身の受給見込額を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

その上で、付加年金やiDeCo、新NISAといった制度の活用も視野に入れ、ご自身に合った方法で、ゆとりあるセカンドライフに向けた準備を進めていくことが大切です。

参考資料

中本 智恵