お笑い芸人による闇営業が問題となっていますが、反社会勢力の魔の手は、ひきこもり支援にも及んでいます。例えば、暴力団を母体とする “ニセ支援団体”の存在。ひきこもりを強引に連れ出した後、狭い住居を与え、親から謝礼金を受け取るのが常套手段です。悪質な場合、ひきこもりの子どもに生活保護を受けさせ、保護費(毎月支給される生活費や医療費のこと)を巻き上げる例も確認されています。
厄介なのは、それらの団体がNPO法人化しているケースです。一目で“ニセ支援団体”かどうか見極めにくく、騙される例が後を絶ちません。ポイントとしては、「絶対に解決する」や「必ず自立させる」といった、謳い文句の支援団体を避けることです。ひきこもり問題の解決は、決して容易ではありません。それを理解している団体ほど、「絶対」などという表現は用いらないでしょう。
■まとめ
年齢を重ねてから、自宅に引きこもる原因や事情は人それぞれ。働きたくても働けない、または諸事情から外に出られない人達に対し、「甘え」という言葉の刃で切り捨てるのは、あまりに酷な話です。もし身近にひきこもりの家族・友人・恋人がいるならば、本人の意思を尊重した上で、社会復帰の手助けをしてあげてください。各地の支援団体を紹介したり、相談に同行してあげたりするだけで十分です。「理解」と「支援」の2つが、今日のひきこもり問題の解決に繋がる糸口だと筆者は考えます。
高橋 一磨