いよいよ今月、6月15日は、増額改定された新しい年金額が振り込まれる、今年度最初の支給日です。 2026年(令和8年)度の公的年金は、物価や賃金の動向を反映し、4年連続のプラス改定となりました。

しかし、6月に届く「年金振込通知書」を見て、「増えたはずなのに、思ったより手取りが少ない」と戸惑う方もいるでしょう。

年金からは介護保険料や住民税などが天引きされるため、実際の生活費を考える上では「手取り額」の正確な把握が不可欠です。

また、2025年(令和7年)に成立した年金制度改正法により、パート労働者の「106万円の壁(賃金要件)」撤廃や、働くシニアの年金カット基準(在職老齢年金)の大幅緩和など、制度の骨組みが大きく動いています。

平均寿命が延び続け、女性では87歳を超える現代。長くなった老後を支える年金の「実態」を知ることは、家計管理の第一歩と言えるでしょう。

今回は、最新の年金額改定例や年齢別の一覧表を紐解きながら、法改正が私たちの「働き方と老後資金」にどう影響するかを解説します。

1. 4年連続のプラス改定!2026年度(令和8年度)の最新年金額をチェック

公的年金の年金額は、賃金や物価の動きを反映して年度ごとに見直されます。2026年度は、前年度から国民年金(基礎年金)が 1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引上げとなります。

この改定率は、6月に支給される「4月・5月分の年金」から適用されます。すでに年金を受給している人には、6月の支給タイミングに合わせて日本年金機構から新しい年金額が記載された通知書類が届きます。

1.1 2026年度「国民年金の満額&厚生年金モデル夫婦世帯の年金額」

令和8年4月分(6月15日(月曜)支払分)からの年金額1/13

令和8年4月分(6月15日(月曜)支払分)からの年金額

出所:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」

2026年度の国民年金と厚生年金の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分)(※1):7万608円
    厚生年金:(夫婦2人分)(※2):23万7279円

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(対前年度比+1300円)
※2 厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

2. 年金増額なのに「思ったより手取りが少ない」と感じる理由と天引きの内訳

2.1 6月に届く「年金額改定通知書・年金振込通知書」

すでに年金を受給している人に、毎年6月に日本年金機構から届くのが「年金額改定通知書」「年金振込通知書」です。

年金額改定通知書:今年度(4月分以降)の年金額がいくらになったかが分かります。

年金振込通知書:年金から天引き(特別徴収)される税金や社会保険料の内訳と、実際に振り込まれる手取り額(振込額)が記載されています。

2.2 年金からの天引き内容が分かる「年金振込通知書」

老齢年金から天引きされる税や社会保険料

  • 介護保険料
  • 公的医療保険(国民健康保険・後期高齢者医療制度)の保険料
  • 個人住民税および森林環境税
  • 所得税および復興特別所得税

このように、年金からも、現役時代と同様に介護保険料、医療保険料、住民税、所得税など特別徴収(天引き)されるお金があります(※)

「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できるのはあくまで「額面の見込み額」であり、手取り額はそれより少ない点に注意が必要です。

※ただし、年金の受給額が年額18万円未満の場合など、年金からの天引きとならないケースもあります。