3. 【金利シミュレーション】100万円を預けた場合の受取利息は?

それでは、実際に100万円を運用した場合にどれくらいの利息を受け取れるのか、最新のデータをもとにシミュレーションしてみましょう。

なお、記載の利子額はすべて税引前です。定期預金はメガバンクの金利水準を参考に「元利継続(年1回の複利計算)」とし、個人向け国債(2026年3月分)は半年ごとに利息を受け取る「単利」で計算しています。

3.1 定期預金を100万円預入する場合のシミュレーション

メガバンクの定期預金も徐々に金利が引き上げられており、特に長期の預け入れでは複利効果によって受取利子合計がまとまった金額になります。

  • スーパー定期(1年):金利0.4%
    ・受取利子合計(税引前):4000円
  • スーパー定期(3年):金利0.6%
    ・1年あたりの受取利子目安(税引前):約6000円
    ・受取利子合計(3年複利)(税引前):1万8108円
  • スーパー定期(5年):金利0.7%
    ・1年あたりの受取利子目安(税引前):約7000円
    ・受取利子合計(5年複利)(税引前):3万5493円
  • スーパー定期(10年):金利0.9%
    ・1年あたりの受取利子目安(税引前):約9000円
    ・受取利子合計(10年複利)(税引前):9万3734円

※利子から20.315%の税金が引かれます。

3.2 個人向け国債を100万円購入する場合のシミュレーション

直近の市場金利を反映している個人向け国債の金利は高い水準です。

個人向け国債を100万円購入する場合のシミュレーション2/2

個人向け国債を100万円購入する場合のシミュレーション

出所:財務省「個人向け国債の発行条件等」 

  • 固定3年(第194回債):金利1.56%
    1回あたり(半年ごと)の受取利子(税引前):7800円
    受取利子合計(税引前):4万6800円
  • 固定5年(第184回債):金利1.95%
    1回あたり(半年ごと)の受取利子(税引前):9750円
    受取利子合計(税引前):9万7500円
  • 変動10年(第196回債):金利1.80%(※初回適用利率)
    1回あたり(半年ごと)の受取利子(税引前):9000円
    ・(※変動10年は半年ごとに金利が変わる可能性があるため、最終的な受取利子合計額は将来の金利動向次第となります)

※利子から20.315%の税金が引かれます。

現在の金利環境においては、メガバンクの定期預金よりも個人向け国債の方が高い利息を得られることがわかります。

たとえば3年間の運用(税引前)を比較すると、定期預金(1万8108円)と国債の固定3年(4万6800円)では、2.5倍以上の差が開いています。
5年間でも同様に、定期預金(3万5493円)に対して国債の固定5年(9万7500円)の方が圧倒的に有利な水準です。

4. 金利上昇のいま、選ぶならどっち!?賢い使い分け方法

シミュレーション結果だけを見ると「すべて個人向け国債にした方がお得だ」と思うかもしれません。しかし、資産形成においては「金利の高さ」だけでなく、「お金の使い道」と「使う時期」に合わせて預け先を使い分けることが鉄則です。

4.1 直近で使う予定のあるお金・生活防衛資金は「定期預金」へ

病気やケガ、突然の失業などに備える「生活防衛資金(生活費の半年〜1年分程度)」や、1年以内に支払いが決まっている車検費用、子どもの入学金などは、流動性の高い定期預金または普通預金が最適です。

個人向け国債は「1年間は原則引き出せない」という強いロックがかかるため、いざという時に使えないリスクを避ける必要があります。期間1年のスーパー定期などを活用し、ペナルティを最小限にして現金化できる状態にしておきましょう。

4.2 数年後に使う予定が決まっているお金は「個人向け国債(固定3年・5年)」へ

「3年後の車の買い替え資金」や「5年後のマイホーム頭金」など、使う時期が明確に決まっていて、絶対に元本を減らしたくない資金については、現在の好金利をしっかりとロックできる個人向け国債の「固定3年」や「固定5年」が適しています。定期預金の同期間の金利と比較しても高い利息を受け取れるため、堅実に資金を増やすことができます。

4.3 当面使う予定のないまとまったお金は「個人向け国債(変動10年)」へ

老後資金の一部や、教育資金の準備など、長期的に使わない資金の置き場所としては、個人向け国債の「変動10年」が魅力的です。

金利上昇局面において長期間の固定金利でお金を縛ってしまうと、世の中の金利がさらに上がった時に恩恵を受けられず、物価上昇(インフレ)によって実質的な価値が目減りするリスクがあります。その点「変動10年」なら、市場の金利上昇に自動的に追従して適用金利も上がるため、将来のインフレに対する防衛が可能です。

5. 自身のライフプランと資金の性質に合わせて組み合わせよう!

個人向け国債と定期預金、どちらか一方が「絶対に正解」ということはありません。それぞれに得意な領域があり、補完し合う関係にあります。

いつでも引き出せる安心感を優先すべき資金は「定期預金」に置き、当面使わない資金で金利上昇の恩恵を最大限に受けたい場合は「個人向け国債」を選択する。このように、ご自身の手元にある資金を目的別に「色分け」することが資産防衛の第一歩です。

金利のある世界が本格的に戻ってきた今、銀行口座に目的もなくお金を眠らせたままにしておくのは非常にもったいない状況です。まずはご自身の預金残高とライフプランを見つめ直し、お金の性質に合わせて定期預金と個人向け国債を賢く組み合わせ、着実に資産を育てていきましょう。

和田 直子

長らく「預金=放置」だった時代が終わり、元銀行員としても時代の変化を強く実感しています。金利のある世界では、お金の置き場所ひとつで将来の資産額に大きな差がつきます。だからこそ、記事にある「使う時期に合わせた色分け」をして、定期預金で安心を確保しつつ、余剰資金で利回りを狙う姿勢が大切です。

実践時のポイントとして、最近はネット証券などで国債の購入キャンペーン(現金プレゼントなど)が盛んです。さらに、一部の銀行が展開する「期間限定の定期預金キャンペーン」などを上手く活用すれば、一時的に国債以上の高金利を狙えるケースもあります。まずは普段使いの口座にとどまらず、各社の情報をしっかり調べて比較することから始めてみてください。

参考資料

苛原 寛