老後の生活を支える柱となる「公的年金」ですが、将来もらえる額がどれくらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか。

実は、年金は現役時代の働き方や住んでいる地域によって水準が異なります。そこで今回は、京都府にフォーカスを当てて年金の平均受給額を見ていきましょう。

歴史と伝統が息づく国際的な観光都市でありながら、世界的企業も数多く本社を構える京都府。実は年金データを見ると、厚生年金と国民年金で順位に大きな「ギャップ」があることもわかってきました。

厚生労働省の最新資料をもとに、京都府のリアルな年金事情と全国47都道府県のランキングを見ていきましょう。

1. 京都府の厚生年金は「15万1483円」で全国13位の堅調な水準

厚生労働省の資料(令和6年度末現在)によると、会社員や公務員などが加入する厚生年金(第1号)の全国平均月額は15万1142円です 。

これに対し、京都府の平均受給額は以下の通りです。

  • 京都府の厚生年金平均月額:15万1483円 

上記の金額には国民年金も含まれます。

全国平均をわずかに上回っており、都道府県別のランキングでは全国13位となりました。

京都府にはハイテク産業や精密機械など、世界で活躍する優良な製造業の本社が多数存在しています。

こうした企業で長く勤め上げる層が一定数いることが、厚生年金の平均受給額を全国平均以上に押し上げていると考えられます。

2. 一方で国民年金は「5万8206円」で全国42位という結果に

次に、自営業者やフリーランスなどが加入する「国民年金(老齢基礎年金)」のデータを見てみましょう。国民年金の全国平均月額は5万9431円です 。

これに対する京都府のデータは以下の通りです。

  • 京都府の国民年金平均月額:5万8206円 

全国平均を1225円下回っており、都道府県別のランキングではなんと全国42位となりました。

厚生年金は上位(13位)に食い込んでいるのに対し、国民年金は非常に低いという極端な結果になることがわかります。

3. なぜ京都府は厚生年金と国民年金で順位に差が出るのか

京都府において、厚生年金と国民年金の順位に差が出る理由は一概には言えませんが、京都ならではの地域特性がひとつ考えられます。

ご存知の通り、国民年金の受給額は、納めた保険料の「期間」によって決まります。

京都府は「学生の街」と呼ばれるほど大学が多く、若年層の人口割合が高い地域です。また、伝統工芸などの自営業者も多く存在します。

こうした「学生や自営業者が多い」という京都ならではの環境は昔から続いており、学生納付特例制度などの免除・猶予制度を利用する人の割合が他県に比べて高い環境にあります。

その結果として、「満額」を受け取れない層が平均額を押し下げている可能性があります。

実際、厚生労働省の「令和6年度の国民年金の加入・保険料納付状況」によると、京都府の第1号被保険者に占める免除・猶予者(学生納付特例含む)の割合は約48.3%に達し、全国平均の約44.0%を上回っています。

4. 47都道府県「厚生年金」「国民年金」平均月額ランキング一覧

ここからは、47都道府県の年金額のランキングを確認してみましょう。

4.1 厚生年金の受給額ランキング

厚生年金の受給額ランキング1/3

厚生年金の受給額ランキング

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1位:神奈川県(17万457円)
  • 2位:千葉県(16万5103円)
  • 3位:東京都(16万3892円)
  • 4位:奈良県(16万2292円)
  • 5位:埼玉県(16万1752円)
  • 6位:愛知県(16万766円)
  • 7位:兵庫県(15万9086円)
  • 8位:大阪府(15万6272円)
  • 9位:滋賀県(15万4456円)
  • 10位:茨城県(15万2963円)
  • 11位:静岡県(15万1960円)
  • 12位:三重県(15万1949円)
  • 13位:京都府(15万1483円)
  • 14位:広島県(15万745円)
  • 15位:岐阜県(14万9910円)
  • 16位:栃木県(14万9631円)
  • 17位:群馬県(14万8666円)
  • 18位:山口県(14万8166円)
  • 19位:岡山県(14万6429円)
  • 20位:和歌山県(14万5933円)
  • 21位:福岡県(14万5822円)
  • 22位:宮城県(14万4920円)
  • 23位:長野県(14万4668円)
  • 24位:山梨県(14万4665円)
  • 25位:富山県(14万4644円)
  • 26位:香川県(14万4026円)
  • 27位:石川県(14万1792円)
  • 28位:北海道(14万1069円)
  • 29位:福井県(14万787円)
  • 30位:愛媛県(14万301円)
  • 31位:新潟県(13万8683円)
  • 32位:福島県(13万6880円)
  • 33位:長崎県(13万6825円)
  • 34位:大分県(13万6507円)
  • 35位:佐賀県(13万4191円)
  • 36位:徳島県(13万4131円)
  • 37位:島根県(13万3918円)
  • 38位:鳥取県(13万3459円)
  • 39位:鹿児島県(13万3343円)
  • 40位:岩手県(13万2943円)
  • 41位:熊本県(13万2740円)
  • 42位:高知県(13万2202円)
  • 43位:山形県(13万1169円)
  • 44位:秋田県(12万9503円)
  • 45位:宮崎県(12万9224円)
  • 46位:沖縄県(12万8819円)
  • 47位:青森県(12万8129円)

4.2 国民年金の受給額ランキング

国民年金の受給額ランキング2/3

国民年金の受給額ランキング

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1位:富山県(6万2989円)
  • 2位:福井県(6万2290円)
  • 3位:島根県(6万2287円)
  • 4位:長野県(6万2030円)
  • 5位:新潟県(6万1957円)
  • 6位:石川県(6万1923円)
  • 7位:香川県(6万1718円)
  • 8位:岡山県(6万1564円)
  • 9位:鳥取県(6万1502円)
  • 10位:三重県(6万1403円)
  • 11位:岐阜県(6万1248円)
  • 12位:滋賀県(6万1172円)
  • 13位:静岡県(6万1150円)
  • 14位:山口県(6万1120円)
  • 15位:佐賀県(6万1084円)
  • 16位:広島県(6万991円)
  • 17位:山形県(6万827円)
  • 18位:岩手県(6万720円)
  • 19位:群馬県(6万564円)
  • 20位:愛知県(6万34円)
  • 21位:福島県(5万9922円)
  • 22位:熊本県(5万9907円)
  • 23位:愛媛県(5万9792円)
  • 24位:鹿児島県(5万9659円)
  • 25位:栃木県(5万9544円)
  • 26位:宮城県(5万9532円)
  • 27位:茨城県(5万9395円)
  • 28位:千葉県(5万9354円)
  • 29位:神奈川県(5万9342円)
  • 30位:山梨県(5万9275円)
  • 31位:宮崎県(5万9234円)
  • 32位:秋田県(5万9147円)
  • 33位:兵庫県(5万9138円)
  • 34位:埼玉県(5万9007円)
  • 35位:奈良県(5万8961円)
  • 36位:徳島県(5万8797円)
  • 37位:長崎県(5万8617円)
  • 38位:北海道(5万8435円)
  • 39位:大分県(5万8397円)
  • 40位:東京都(5万8313円)
  • 41位:福岡県(5万8300円)
  • 42位:京都府(5万8206円)
  • 43位:高知県(5万7926円)
  • 44位:和歌山県(5万7784円)
  • 45位:青森県(5万7137円)
  • 46位:大阪府(5万7122円)
  • 47位:沖縄県(5万4217円)

5. まとめ:自分の「ねんきん定期便」を確認し、早めの対策を

京都府のデータが示す通り、統計上の「平均」はあくまで目安に過ぎません。特に国民年金については、保険料の納付状況によって受給額に大きな個人差が出ます。

老後の資金準備としてまず取り組むべきは、自分の将来の受給見込額を正確に知ることです。毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構の「ねんきんネット」で最新の状況を確認しましょう。

もし「これだけでは足りない」と感じた場合は、iDeCoや新NISAを活用した資産運用、あるいは定年後も長く働いて厚生年金に加入し続けるなど、早めの対策を検討することが、安心な老後への第一歩となります。

6. 参考:厚生年金に加入していない人が国民年金を増やすには

前述の通り、国民年金のみを受給する場合の金額は、厚生年金と比べると少額になる傾向があります。

働き方が多様化する現代では、厚生年金に加入しないフリーランスや自営業の方も増えています。

ここでは国民年金の受給額を増やす方法として、比較的始めやすい「付加保険料の納付」について紹介します。

6.1 付加保険料の納付

付加保険料とは、定額の国民年金保険料に上乗せして納付することで、将来受け取る年金額を増やせる制度です。

国民年金「付加年金制度」3/3

国民年金「付加年金制度」

出所:日本年金機構「国民年金付加年金制度のお知らせ」

具体的には、毎月の国民年金保険料に「付加保険料(月額400円)」を追加で納めることで、将来の年金額を増額できる仕組みになっています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)と付加年金は同時に加入できますが、iDeCoの掛金額によっては併用できないケースもあるため注意が必要です。

仮に40年間付加保険料を納付し続けた場合、年間の年金受給額に9万6000円が加算されます。

40年間の付加保険料の総額は19万2000円のため、年金を受け取り始めてから2年で元が取れる計算です。

会社員として厚生年金に加入しながら副業をしている場合などを除き、原則として20歳から60歳までの自営業者やフリーランスの方は国民年金の加入対象となります。

参考資料

太田 彩子