株式市場の振り返り-閑散感が強い商いの中、16,000円を挟んでの一進一退

2016年3月1日(火)の東京株式市場は小幅高となりました。日経平均株価は前日比+0.3%の上昇、TOPIXは+0.2%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は+1.6%の上昇となりました。

日経平均株価は、米国株式市場の下落、ドル円レートが円高で推移したこと、午前中に発表された中国製造業PMIが予想値をやや下回ったことなどを嫌気し、前場は前日比▲109円安の15,916円で引けました。

後場は、特段の新しい材料が出たわけではありませんでしたが、一時は前日比+72円高に転じるなど、買戻しの動きが見られました。総じて見れば、前日終値を挟んだ推移となりましたが、結局、日経平均株価は前日比+58円高の16,085円で引け、小幅反発となっています。

東証1部で上昇したのは980銘柄、値下がり838銘柄、変わらず124銘柄でした。東証1部の出来高は22億2,463万株、売買代金は2兆1,481億円(概算)となっています。売買代金は2兆円を少し上回る程度に止まる低水準でした。

セクター動向と主要銘柄の動き-総じて見ると内需関連株が買われる

東証では33業種のうち、20業種が上昇で、13銘柄が下落しました。上昇率が高かったのは、不動産+1.9%、建設業+1.3%、食料品+1.2%などでした。一方、下落率が高かったのは、保険業▲1.2%、電気機器▲0.9%、機械▲0.9%、輸送用機器▲0.5%などでした。内需関連株が買われ、為替敏感株が売られたようですが、上昇した業種が意外に多かった印象です。

個別銘柄では、ニチレイ(2871)は後場に自社株買いを発表した後に、大きく値を上げました。また、前日に自社株買いを発表した日東電工 (6988)も同様に買われました。一方、前日引け後に2016年3月期業績予想の下方修正を発表したNEC(6701)が大幅下落となりました。また、昨日は小幅安に止まった任天堂(7974)も続落となっています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種―ボックス圏相場の様相が強まる中、内需関連銘柄に注目

日本株式市場は彼此2週間近く16,000円を挟んだ上下約300円の狭いレンジを推移しており、典型的なボックス圏相場に入ったと考えられます。結果的に、G20終了でもこのボックス圏相場から抜け出せていません。ボックス圏相場は、2~3週間で終わることもある一方で、1~2ヶ月以上の長丁場になることも多々あります。また、民主党政権時に8,000~10,000円のレンジにおける推移が長く続いたことも、広い意味ではボックス圏相場だったと言えましょう。

ボックス圏相場の特徴の1つに、そのボックス圏から抜け出すと、株価が大きく変動するケースが頻繁に見られることが挙げられます。上にも下にも動き難い膠着状態が続いた後では、溜まったエネルギーが発散されるのかもしれません。ただし、大きく上昇するだけでなく、大きく下落するケースもありますから、注意が必要です。低水準の商いが続いている現状では、ボックス圏相場の終了後の展開を睨んで、投資家の様子見スタンスが一層強くなることが考えられます。

さて、1日(火)の米国では、スーパーチューズデーで多くの州で党員集会、予備選挙が開催されます。また、2月の米国製造業景況指数ISMや新車販売実績などが発表される予定です。手掛かりが見え難い状況下において、こうした米国での政治イベントや経済指標の発表に目が向くかもしれません。

こうした状況を踏まえ、2日(水)は引き続き不動産、建設などの内需関連セクターに注目する一方で、米国の様々な指標を受けての輸出関連株などの動きも注視したいと思います。

【2016年3月1日 投信1編集部】

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LIMO編集部