2026年度の公的年金額の見直しにより、「将来または現在受け取る年金がどのように変わるのか」気になる方も多いのではないでしょうか。今回の改定では、例えば老齢基礎年金が前年度から「月額1300円」増額され、新規裁定者の満額で月額7万608円になるなど、具体的な変更が予定されています。見直しの対象となるのは老齢年金だけでなく、現役世代の暮らしも支える障害年金や遺族年金、そして生活者支援給付金など多岐にわたります。
実際の増額が反映されるのは「6月15日」の支払いからとなりますので、まずはご自身やご家族がどの制度の対象になるのか、本記事でポイントを確認しておきましょう。
1. 《老齢基礎年金》満額7万608円←月1300円アップ。夫婦2人の標準額はいくら?
老齢年金は、シニア世代の生活を支えるための年金です。
老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以降生まれの方(新規裁定者)は月額7万608円となり、前年度より1300円増額されます。なお、昭和31年4月1日以前生まれの方も同様に増額改定の対象です。厚生労働省が示す「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」は月額23万7279円です。
1.1 老齢年金生活者支援給付金、年金の上乗せ!給付基準額「月5620円」に改定
あわせて、老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は月額5620円に改定されました。
対象となるのは、以下の条件をすべて満たす方です。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
- 世帯全員の住民税が非課税である
- 前年の年金収入額とその他の所得の合計が一定以下である
なお、所得が基準をわずかに上回る方に対しても、受給額の逆転を防ぐための「補足的老齢年金生活者支援給付金」が用意されています。
2. 《障害基礎年金》1級は「年間約105.9万円」←2級の1.25倍
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代も含めて受け取ることができる年金です。
対象は外部障がいだけでなく、呼吸器・心疾患・腎疾患などの内部障がいのほか、精神障がいや知的障がいも含まれます。障害年金には更新期間が設けられる場合があり、一定期間ごとに診断書の提出などによる再認定が必要になることがあります。
《2026年度の障害基礎年金》
※昭和31年4月2日以後生まれの方
- 1級:105万9125円 + 子の加算額
- 2級:84万7300円 + 子の加算額
昭和31年4月1日以前生まれの方も同様に増額改定の対象です。
《子の加算額》
※生計を維持されている子がいる場合に加算されます。
- 1人目・2人目: 1人につき 24万3800円
- 3人目以降: 1人につき 8万1300円
2.1 障害年金生活者支援給付金の給付額
障害基礎年金の受給者が対象で一定の所得基準に該当した方は障害年金生活者支援給付金を受け取れる場合があります。
《2026年度の障害年金生活者支援給付金》
- 1級:月額7025円
- 2級:月額5620円
前年の所得要件など支給要件を満たした障害基礎年金受給者に支給される場合がありますが、この障害年金生活者支援給付金の受給者では50歳代が中心に多い状況です。
3. 《遺族基礎年金》子のある配偶者「年間約84.7万円」+子の加算額
遺族年金は、家計を支えていた人が亡くなったときに、のこされた家族の生活を支えるための年金です。
《2026年度の遺族基礎年金》
※昭和31年4月2日以後生まれの方
- 子のある配偶者が受け取るとき
84万7300円 + 子の加算額 - 子が受け取るとき
84万7300円 + 2人目以降の子の加算額
子の加算額
- 1人目・2人目: 1人につき 24万3800円
- 3人目以降: 1人につき 8万1300円
配偶者がいない場合などは、子が直接年金を受け取ります。受け取り方については、上記の合計額を子の人数で割った額が、1人あたりの受給額となります。
遺族厚生年金の額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が基本で、妻と子2人のケースでは、生計を同じくする配偶者に優先的に支給されるため、その間、子への支給は停止されますが、世帯全体としての受給権がなくなるわけではありません。
3.1 遺族年金生活者支援給付金
遺族年金生活者支援給付金も2026年度の給付額が見直されました。
《2026年度の遺族年金生活者支援給付金》
- 月額5620円
前年の所得要件など支給要件を満たした遺族基礎年金の受給者が対象ですが、2人以上の子が遺族基礎年金を受け取る場合は、この給付額を子の人数で割った金額がそれぞれに支払われます。
4. まとめにかえて
2026年度の年金額改定は、シニア世代の老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金を受け取る現役世代やご家族にとっても生活に直結する重要な見直しです。年金生活者支援給付金の給付基準額も月額5620円に改定されるなど、さまざまな角度から暮らしを支える制度が更新されています。
ご自身の年金が具体的にいくらになるのかは、原則として日本年金機構から6月に届く「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」が一体となったハガキで確認することができます。
通知書が手元に届きましたら、今後の生活を支える大切な資産ですので、改定後の金額を必ずチェックしておきましょう。年金の正しい知識を身につけることを第一歩として、現在の家計収支や将来のライフプランをより安心できるものへと前向きに見直してみてください。