4. 年金を受け取りながら働く人に影響する「在職老齢年金制度」が見直しへ

老後の生活設計を考えるうえで、年金収入だけで家計を支えるのは心もとないと感じる人もいるでしょう。

特に、物価上昇が続く今は、年金に加えて働いて収入を得ることを視野に入れる人が増えています。

こうした人にとって重要なのが、「在職老齢年金制度」です。

この制度は、老齢厚生年金を受け取りながら働く場合に、賃金と年金の合計額が一定の基準を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になる仕組みです。

在職老齢年金制度の見直しについて4/4

在職老齢年金制度の見直しについて

出所:厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」

2026年4月から、支給停止の判定に使われる基準額が、現行の月51万円から月65万円に引き上げられます。

今回の改正によって、60歳代で働きながら年金を受け取る人は、これまでよりも年金が減額されにくくなります。

一定の収入を得ていても年金を受け取りやすくなるため、働いた分だけ家計に反映されやすくなる点が大きな変更です。

これまでの仕組みでは、収入が増えると年金が減ることを意識して、あえて働く時間や収入を抑える人もいました。いわゆる「働き控え」が起こりやすい制度だったともいえます。

基準額の引き上げは、こうした働き控えをやわらげ、希望する人が無理のない範囲で働き続けやすくするための見直しです。

老後の収入を年金だけに頼らず、就労による収入も組み合わせていく流れは、今後さらに重要になっていくでしょう。