2.1 年収が高いほど「貯蓄ゼロ」は減少し「中央値」は上昇傾向に
年収別のデータを見ると、貯蓄額の増加だけでなく、「分布のあり方」が変わっている点が特徴です。
低年収層では中央値が低く、貯蓄を持たない世帯の影響が表れている一方、年収が高くなるにつれて中央値が押し上げられ、全体の水準が引き上がっていきます。
これは、貯蓄を保有する世帯の割合が増えていることを示す動きといえるでしょう。
また、高年収層では平均値と中央値の双方が高い位置にあり、一部の世帯が数値を引き上げている側面は依然としてあるものの、全体的な貯蓄水準が底上げされている様子が見て取れます。
このように、収入の違いは単なる金額差にとどまらず、貯蓄の有無そのものにも関わっていると考えられます。
3. 貯蓄額は「年代」と「年収」どちらの影響が大きい?
前章では、年代別と年収別それぞれの貯蓄状況を見てきました。
年代別では年齢とともに平均値が上昇し、長期間をかけて資産が形成されていく様子が見られます。
一方、年収別では収入が高くなるほど平均値の伸びが大きく、収入差が貯蓄額に強く反映されている点が特徴です。
こうした点を踏まえると、「1000万円」というラインは、「時間の積み重ね」と「収入の大きさ」の双方に左右されていることがうかがえます。
実際、中央値が1000万円を超えるのは、年代別では60歳代以降、年収別では「750〜1000万円未満」以上の世帯に限られています。
つまり、1000万円の保有は多数派とはいえず、年代と年収の両方がそろって現実的な水準となる目安といえるでしょう。
では、「中央値」から「1000万円」へ近づくためには、どのような行動が必要なのでしょうか。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/一種外務員資格(証券外務員一種)/元証券会社社員
1985年生まれ。福岡県出身。筑紫女学園短期大学英文科(現・筑紫女学園大学)を卒業後、2005年に日興コーディアル証券株式会社(現・SMBC日興証券株式会社)に入社。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。ファイナンシャルアドバイザーとして、主に富裕層の個人顧客や法人に向けて、株式や債券、投資信託、保険商品などライフプランに寄り添った資産運用を提案する業務に従事。
現在は、株式会社モニクルリサーチのメディア編集本部・LIMO編集部に所属。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。(2026年7月11日更新)
監修者
LIMO編集部銀行出身者チームは株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、メガバンクや地方銀行などの大手金融機関にて、資産運用相談や融資業務の経験を積んだ「元銀行員」の編集者が中心となり構成されている、金融専門のライティングチームです。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍しています。
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