2.1 年収が高いほど「貯蓄ゼロ」は減少し「中央値」は上昇傾向に

年収別のデータを見ると、貯蓄額の増加だけでなく、「分布のあり方」が変わっている点が特徴です。

低年収層では中央値が低く、貯蓄を持たない世帯の影響が表れている一方、年収が高くなるにつれて中央値が押し上げられ、全体の水準が引き上がっていきます。

これは、貯蓄を保有する世帯の割合が増えていることを示す動きといえるでしょう。

また、高年収層では平均値と中央値の双方が高い位置にあり、一部の世帯が数値を引き上げている側面は依然としてあるものの、全体的な貯蓄水準が底上げされている様子が見て取れます。

このように、収入の違いは単なる金額差にとどまらず、貯蓄の有無そのものにも関わっていると考えられます。

3. 貯蓄額は「年代」と「年収」どちらの影響が大きい?

前章では、年代別と年収別それぞれの貯蓄状況を見てきました。

年代別では年齢とともに平均値が上昇し、長期間をかけて資産が形成されていく様子が見られます。

一方、年収別では収入が高くなるほど平均値の伸びが大きく、収入差が貯蓄額に強く反映されている点が特徴です。

こうした点を踏まえると、「1000万円」というラインは、「時間の積み重ね」と「収入の大きさ」の双方に左右されていることがうかがえます。

実際、中央値が1000万円を超えるのは、年代別では60歳代以降、年収別では「750〜1000万円未満」以上の世帯に限られています。

つまり、1000万円の保有は多数派とはいえず、年代と年収の両方がそろって現実的な水準となる目安といえるでしょう。

では、「中央値」から「1000万円」へ近づくためには、どのような行動が必要なのでしょうか。