株式市場の振り返り-続伸するもG20の様子見ムード強まる

2016年2月26日(金)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.3%の上昇、TOPIXは+0.2%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は▲0.7%の下落となりました。

日経平均株価は、欧米市場の続伸、ドル円レートが113円台の円安に振れたことなどを好感し、前日比+171円高の16,311円で寄り付きました。その後も続伸し、一時は+332円高となったものの、その後はやや軟調に転じ、前場は前日比+192円高の16,332円で引けました。

後場は週末開催のG20 への様子見ムードが強まり、一進一退となりましたが、大引けにかけて急速に値を下げました。結局、日経平均株価は前日比+48円高の16,188円で終わり、安値引けとなっています。

東証1部で上昇したのは1,002銘柄、値下がり830銘柄、変わらず109銘柄でした。東証1部の出来高は21億6,312万株、売買代金は2兆1,117億円(概算)となっています。出来高、売買代金ともに低調な水準で終わりました。

セクター動向と主要銘柄の動き-業種の騰落率は小幅に収まる

東証では33業種のうち、23業種が上昇し、10業種が下落しました。上昇したのは、小売業+1.2%、電気・ガス業+1.0%、食料品+1.0%などでした。一方、下落したのは、ゴム製品▲0.9%、ガラス・土石製品▲0.7%、卸売業▲0.7%などでした。上昇した業種、下落した業種ともに小幅な騰落率に止まっており、投資家の様子見ムードが強まったことを表していると言えましょう。

個別銘柄では、ビットコイン関連銘柄のマネーパートナーズ(8732)が利益確定から売られましたが、その後買い戻しが入りストップ高で引けています。また、ふくおかフィナンシャルグループ(8354)との経営統合が報じられた十八銀行(8396)が大幅上昇となりました。一方、鴻海精密工業からの買収提案受け入れを発表したシャープ(6753)は、正式契約が延期になるとの見通しから、大きく売られました。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―G20 後の方向性が見えない中、3連騰へ4度目のチャレンジ

注目されたG20 が終わりました。声明では、経済安定のための為替、財政などで結束をすることで合意を見たようです。そのために必要であれば為替、財政などでの緊密な協調をすることを示しました。しかし、具体策は示されませんでした。また、各国が財政政策や構造改革を進めるという“宿題”を持ち帰った形です。

29日(月)は日本を含めたアジア市場から始まります。G20 の声明を肯定的に受け止めるか、織り込み済みと受け止めるか、見方が分かれるところです。先週末のNY市場が反落したことも気掛かり材料です。そのため、まずは、欧米市場の反応を見極める『後出しジャンケン』を選択する投資家が増えるかもしれません。したがって、G20が終わっても、29日は先週の薄商い状況が続く可能性が高いと考えられます。G20の結果を反映するのは火曜日からになると考えられます。

一方で、先週は薄商いの中、木曜日、金曜日と日経平均株価は小幅ながら連騰しています。本日29日は、2016年初の3連騰へ4度目のチャレンジです。3連騰に向けて視界良好というわけではありませんが、週末から円安が大きく進んでいるため、決して悪い環境ではありません。今年初の3連騰を成し遂げて、明るいニュースとなるか注目しましょう。

そのような中、円安進行を背景に、輸出関連株のリバウンド、マイナス金利の恩恵を受ける不動産セクター、外的要因の影響が少ない内需銘柄の小売セクター、建設セクターなどに注目したいところです。

【2016年2月28日 投信1編集部】

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LIMO編集部