4. 祖業である広告事業に迫る「AIの脅威」
一方で、手放しで喜べない事業もあります。それが祖業である「インターネット広告事業」です。
第1四半期の広告事業は、大型顧客1社の離脱という影響もあり、売上高が前年同期比2.7%減、営業利益が27.2%減と苦戦を強いられました。
ネット上の掲示板などでもこの減収減益を心配する声が多いとインタビュワーが伝えると、泉田氏はより根本的な「事業構造のリスク」について言及しました。
「例えばもう自分たちでAIでワークを設計して、運用も社内でできる時代になってくると、広告代理店に発注して運用するっていうことでもなくなってくると思う」
これまでインターネット広告の運用は、専門知識を持った人材が細かく調整を行う必要があり、そこに広告代理店の存在意義がありました。
サイバーエージェント社内でも、広告事業にはゲーム事業の次に多くの人員が配置されています。
しかし生成AIの急速な進化により、自社内でも簡単にAIを使って広告運用を自動化できる時代が近づいています。
「人の手が多く必要なビジネスモデル」という労働集約型である広告代理事業において、AIによる自動化が進めば進むほど、多くの人員の固定費が経営の重荷になる可能性があると泉田氏は警鐘を鳴らします。
「世の中の構造変化がもうぎゅっと寄せ集まってる感じ」と泉田氏が表現するように、サイバーエージェントの現在の姿は、AIの台頭、テレビからネットへの移行、エンタメの力といった現代のビジネストレンドがすべて詰め込まれた縮図と言えるでしょう。
