2. 年収1000万円でも年金は「月約21万円」が目安になる理由

年収1000万円の会社員が65歳以降に受け取る年金額は、目安として月額約21万円とされています。

収入水準と比べて少なく感じる場合もありますが、これは制度の仕組みによるものです。

厚生年金では、保険料や年金額の算出に用いられる「標準報酬月額」に上限(現行65万円)が設けられており、月収がそれ以上であっても、計算上は月収65万円として扱われます。

そのため、一定以上の収入水準では、収入が増えても年金額に反映されにくい構造となっています。

具体的には、老齢厚生年金(報酬比例部分)は「65万円 × 5.481/1000 × 480月」で年額約171万円(月額約14万3000円)となり、これに2026年度の老齢基礎年金の満額である月約7万608円を加えると、合計で月額約21万3000円となります。

2.1 【2025年成立の年金改定】標準報酬月額の上限は75万円へ引上げに

2025年6月13日に成立した年金制度改正法により、標準報酬月額の上限は、現行の65万円から75万円へと段階的に引き上げられることになりました。

具体的には、2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円へと3段階で見直されます。

厚生労働省の試算では、標準報酬月額75万円に該当する場合、本人が負担する保険料は月あたり約9100円増加します。

一方で、この等級に該当する状態が10年間続くと、老齢厚生年金は生涯にわたり月額約5100円増えるとされています。

こうした見直しは、制度の公平性を高めるとともに、厚生年金全体の給付水準の引き上げを目的としています。

では、現在のシニア層が実際に受け取っている年金の平均月額はどの程度なのでしょうか。