3. 非課税の判断基準に影響する「扶養」の基本
単身世帯の住民税が非課税になる年金収入は155万円ですが、夫婦世帯の場合は211万円です。金額に差が出る要因が「同一生計配偶者や扶養親族の存在」です。養うべき家族がいる人は、生活により多くのお金が必要になるため、税制上一定の配慮がされます。
東京23区の場合、同一生計配偶者が1人いると、個人の住民税が非課税になる合計所得金額の限度額は「35万円×2+31万円」で、101万円になります。養う家族が増えれば、非課税になる基準はさらに上昇する仕組みです。つまり、親族を扶養に入れることで、住民税が非課税になる可能性は高まるのです。
ただし、同一生計配偶者や扶養親族として認められるには、生計をともにしていることや、家族自身の収入が一定額以下であることなど、所定の要件を満たす必要があります。年金収入の場合、155万円以下であれば、本人・配偶者ともに個人の住民税が非課税になります。本人の年金収入が211万円以下でも、配偶者の収入が155万円を超えてしまうと、世帯全員が非課税となる「住民税非課税世帯」の条件からは外れてしまうため、注意しましょう。
次章では、本人の年金が少なくても非課税世帯にならないケースについて解説します。
4. 本人の年金が少なくても「住民税非課税世帯」にならないケースとは?
本人の年金収入が上記の要件を満たしており、個人の住民税が非課税(0円)であっても、同居している家族に住民税が課税されている場合、世帯としては「住民税課税世帯」と判断されます。
たとえば、働いている子どもと同居しており、子どもに住民税が課税されている場合などです。この場合、本人の住民税はかかりませんが、「住民税非課税世帯」を対象とした医療費の自己負担限度額の軽減や社会保険料の軽減・減免などは受けられません。
世帯を自身と子どもの2つに分ける(世帯分離)ことで非課税世帯となることもありますが、子どもが会社で家族手当などをもらっている際は打ち切られるなどのデメリットも生じます。
また、年金以外の収入がある場合は、たとえ年金収入が上記の要件を満たしていても、住民税が課税される可能性があります。働きながら年金を受け取っている人や、不動産を貸して家賃収入を得ている人は、非課税世帯になるのは難しいと考えておきましょう。