2. 年金が増額改定でも「喜べない」と言われる理由
2026年度の年金は、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%引き上げられていますが、物価上昇を踏まえると、物価高に年金の伸びが追いつかない「実質目減り」の状態といえます。
この要因となっているのが、物価の伸びよりも現役世代の賃金の伸びが低く、年金の改定の基準が賃金の伸び率に合わせて抑えられたことに加え、「マクロ経済スライド」による調整が行われたためです。
「マクロ経済スライド」とは、年金制度を長期的に維持するための仕組みで、物価や賃金の動きを基準にした改定率から、被保険者数の減少や平均寿命の延びを反映した調整分が差し引かれるものです。
物価上昇率は3.2%であったのに対し、年金の改定率は1.9%・2.0%にとどまっており、金額としては増えていても、生活面での負担感は軽減されにくい状況となっています。
また、年金からは税金や社会保険料も差し引かれるため、増額分がそのまま手元に残るわけではありません。
次章では、年金から天引きされる「お金」について詳しく確認していきましょう。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員/金融ライター
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて主にリテール営業に従事し、延べ1万名以上の個人のお金の相談に携わった。とくに銀行では国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険、住宅ローンなどの販売に携わり、全国表彰歴あり。金融機関勤務後は経験を活かし、株式会社モニクル傘下の株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。
現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替相場、株式投資などを中心に記事の企画・執筆・編集・監修をおこなっている。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成。(2026年7月29日更新)