2. NISA口座での積立と銀行預金の比較

なぜ、NISA口座での積立投資と銀行預金への積立では、これほどまでに大きな差が生じるのでしょうか。ここからは、2つの金融資産の「仕組み」の違いを説明します。

2.1 NISAでの積立は「投資」

NISA口座で積立投資をすることは、「資産運用」にあたります。資産運用とは、将来のリターンを期待して、どこかの企業や経済全体に資金を投じることです。積立投資において選択肢となることが多い「投資信託」では、1つの投資先に集中するのではなく、国や業種を超えて数多くの企業の株式などに分散して投資を行うことができます。これにより、手軽に効率よく分散投資ができるシステムとなっています。

投資は、投資先の将来の成長を見据えて株式などを「購入する」行為です。そのため、企業の業績が良くなり株式の価値が上がれば利益が生じますが、逆に価値が下がれば元本割れのリスクもあります。しかし、ある程度のリスクを受け入れることで、銀行預金などの低リターンな金融資産と比較して、はるかに高い利益を得られる期待が持てる金融資産なのです。

2.2 銀行預金はお金の「預け入れ」

一方で、銀行への積立は、お金を文字通り「預け入れ」ている状態です。預けたものはあくまでも自分のものであるため、原則として額面通りに戻ってきます。そこに、お金を一定期間銀行に貸していたことによる、ほんの少しの貸出料のようなものが「利息」として支払われます。元本はあくまでも保証されたものである一方で、そこにつく利息はほんのわずかです。

「元本が保証されているから、銀行預金が一番安全安心」と考える人も多くいるはずです。しかし、ここで注意しなければならないのがインフレのリスクです。

インフレなどによって物価が高騰することにより、世の中のモノやサービスの値段が上がると、お金そのものの価値は相対的に下がってしまいます。額面が変わらない状態であっても、実質的なお金の購買力が低下するのです。

例えば、今150円でジュースが一本買える状態だとします。しかし、物価が上がり続け、20年後には同じジュースが300円になっていたとしたらどうでしょう。預金通帳の「150円」という数字は減っていませんが、もはやジュースは買えません。実質的に150円というお金の価値は半分になってしまったことになります。「そのままお金を持っているだけ」という行動には、実はこうしたリスクが潜んでいるのです。