2. 園芸歴25年の経験をもとにした〈種まきのコツ〉で発芽の失敗を減らそう!

夏の花の発芽適温は、20℃から25℃がほとんどです2/10

著者撮影

種を発芽させるためには、「発芽適温」について知っておくことが大切です。

発芽適温とは、言葉のとおり「種が発芽し始める温度の目安」のこと。たとえば、今回紹介する花(ジニア、ニチニチソウ、マリーゴールド)は、どれも発芽適温が25℃前後です。

発芽適温は「種をまく土の中の温度」なので気温とは多少違いますが、花の種は地表近くにまくものが多いことと、発芽適温も厳密に合わせる必要はないことから、気温を目安にして種まき時期を考えます。

心配な方は土に挿すタイプの地温計を使用して、種まき時期の少し前から地温を確認しておくのもひとつの方法です。

私の住む関西地域では、気温が25℃前後になるのはゴールデンウィーク前後くらいから。それ以前は、日中の最高気温でも20℃前後あればいいところでしょう。

よくある失敗例は、発芽適温を知らずに種まきをしてしまうこと。たとえば、「最高気温20度・最低気温10度以下」という気候で種まきをすると、発芽率は極端に悪くなります。

理由は、夜間の温度が発芽に適していないからです。発芽には「夜温の上昇」も必要です。夜間も20℃近くあり、日中が25℃近くあれば、あっという間に発芽が始まります。

園芸歴25年の経験上、種をまいてからの最初の7日間が、温度管理の勝負です。発芽適温に近い温度を、1日のうちで「いかに長くしてあげるか」が、失敗しないための大切なポイントになります。

具体的には、私の住む関西地域の4月上旬の屋外では少し無理があるので、暖かくなるまで待つか、夜間の温度管理を工夫し、夜間だけビニール袋をかぶせた簡易温室を作ったり、夜間は室内に移動させるといった対応をするようにしています。
(※日中に直射日光の当たる場所でビニールをかぶせたままにすると、今度は温度が上がりすぎてしまうので、気をつけてくださいね。)

このひと手間をかけることで、種まき後7日もあれば発芽が始まります。私は長年、こうして種まきをして、しっかり発芽させることができています。

もうひとつ。気をつけたいのは、種まきがあまり遅くなると、花が咲き始めるのが真夏頃になってしまうこと。基本的には、発芽から花が咲くまでおよそ60日必要ですので、そこから逆算して種まき時期を計画してみましょう。

そんなとき、まだ発芽適温になっていないかも、と心配する方もいるかもしれません。

発芽適温は、種の袋に書いてありますが、それはあくまで理想の温度。経験上の体感にはなりますが、そこから若干低くても問題なく発芽すると感じています。

また、種まきの際に種にかける土の厚さも発芽の成功率に影響します。こちらも種袋に記載されていますので、確認しておきましょう。

あまり厳密になりすぎず、前述した対策を組み合わせて、種まきに挑戦してみてくださいね。

3. たくさん種まきするならコレ!移動しやすい「セルトレイ」がおすすめ

128穴のセルトレイ。ホームセンターで200円程度で買え、何年も使えるので便利ですよ3/10

著者撮影

春はまだまだ気候が不安定で、冬に戻ったように寒い日や、初夏のように暑い日などさまざまです。そんな中で種まきを成功させるには、前述した「夜間の室内取り込み」や「簡易温室」などの工夫が必要になります。

その過程では移動が必要になりますが、ポットに直接種をまくと、移動がとても大変です。そこでおすすめなのが「セルトレイ」。さまざまなサイズのセルトレイが販売されていますが、筆者が使用しているものは1枚で128粒分もの種をまけるので、室内への取り込みを含めてとてもスムーズです。

発芽さえしてしまえば、少々の気温の低さは問題ありません。まずは「発芽させること」に全力を注ぎましょう。

しっかり本葉が4枚くらいになったらポットに移植して、日に当てるようにして屋外で育ててくださいね。

続けて、「初心者でも簡単」で、しかも「秋まで長く花が咲き続ける」春まきの一年草を紹介していきましょう。