「花壇をお花でいっぱいにしたい!」
そう思ってホームセンターや園芸店に行ったものの、苗の費用を計算をして、ちょっとためらってしまった……なんてこと、ありませんか?
そんな方に、選択肢のひとつとして知っていただきたいのが「種から育てること」です。花を種から育てると、一袋300円ほどで、数十株もの花を育てることができ、ガーデニング費用の節約にもなりますよ。
春は、初夏から秋まで咲く花の種まきのベストタイミング。とはいえ、「どんな花を選べばいいんだろう」「初心者でも育てやすい花はどんなものがある?」と迷ってしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、毎年1000株以上を種から育てている園芸歴25年の経験をもとに、〈初心者でも失敗しにくいおすすめの花3つ〉と、〈絶対に押さえておきたい発芽のポイント〉を紹介します。
※本記事の情報は執筆時点(2026年4月8日)のものです。
※生育スピードや発芽率は、お住まいの地域や環境によって異なりますのでご注意ください。
1. 初心者ガーデナーさんにおすすめ!種まきに失敗しにくい「春まきの一年草」3選
初夏にモリモリ咲き始めたジニア1/10
著者撮影
春に種まきして育てることができる花はたくさんありますが、今回は「初心者でも簡単」で、しかも「秋まで長く花が咲き続ける」春まきの一年草を3つ選びました。
- ジニア
- ニチニチソウ
- マリーゴールド
この3つの花は、いずれも春に種をまくと、初夏から秋まで花が途切れることなく咲き続けてくれる優秀な植物たちです。
2. 園芸歴25年の経験をもとにした〈種まきのコツ〉で発芽の失敗を減らそう!
夏の花の発芽適温は、20℃から25℃がほとんどです2/10
著者撮影
種を発芽させるためには、「発芽適温」について知っておくことが大切です。
発芽適温とは、言葉のとおり「種が発芽し始める温度の目安」のこと。たとえば、今回紹介する花(ジニア、ニチニチソウ、マリーゴールド)は、どれも発芽適温が25℃前後です。
発芽適温は「種をまく土の中の温度」なので気温とは多少違いますが、花の種は地表近くにまくものが多いことと、発芽適温も厳密に合わせる必要はないことから、気温を目安にして種まき時期を考えます。
心配な方は土に挿すタイプの地温計を使用して、種まき時期の少し前から地温を確認しておくのもひとつの方法です。
私の住む関西地域では、気温が25℃前後になるのはゴールデンウィーク前後くらいから。それ以前は、日中の最高気温でも20℃前後あればいいところでしょう。
よくある失敗例は、発芽適温を知らずに種まきをしてしまうこと。たとえば、「最高気温20度・最低気温10度以下」という気候で種まきをすると、発芽率は極端に悪くなります。
理由は、夜間の温度が発芽に適していないからです。発芽には「夜温の上昇」も必要です。夜間も20℃近くあり、日中が25℃近くあれば、あっという間に発芽が始まります。
園芸歴25年の経験上、種をまいてからの最初の7日間が、温度管理の勝負です。発芽適温に近い温度を、1日のうちで「いかに長くしてあげるか」が、失敗しないための大切なポイントになります。
具体的には、私の住む関西地域の4月上旬の屋外では少し無理があるので、暖かくなるまで待つか、夜間の温度管理を工夫し、夜間だけビニール袋をかぶせた簡易温室を作ったり、夜間は室内に移動させるといった対応をするようにしています。
(※日中に直射日光の当たる場所でビニールをかぶせたままにすると、今度は温度が上がりすぎてしまうので、気をつけてくださいね。)
このひと手間をかけることで、種まき後7日もあれば発芽が始まります。私は長年、こうして種まきをして、しっかり発芽させることができています。
もうひとつ。気をつけたいのは、種まきがあまり遅くなると、花が咲き始めるのが真夏頃になってしまうこと。基本的には、発芽から花が咲くまでおよそ60日必要ですので、そこから逆算して種まき時期を計画してみましょう。
そんなとき、まだ発芽適温になっていないかも、と心配する方もいるかもしれません。
発芽適温は、種の袋に書いてありますが、それはあくまで理想の温度。経験上の体感にはなりますが、そこから若干低くても問題なく発芽すると感じています。
また、種まきの際に種にかける土の厚さも発芽の成功率に影響します。こちらも種袋に記載されていますので、確認しておきましょう。
あまり厳密になりすぎず、前述した対策を組み合わせて、種まきに挑戦してみてくださいね。
3. たくさん種まきするならコレ!移動しやすい「セルトレイ」がおすすめ
128穴のセルトレイ。ホームセンターで200円程度で買え、何年も使えるので便利ですよ3/10
著者撮影
春はまだまだ気候が不安定で、冬に戻ったように寒い日や、初夏のように暑い日などさまざまです。そんな中で種まきを成功させるには、前述した「夜間の室内取り込み」や「簡易温室」などの工夫が必要になります。
その過程では移動が必要になりますが、ポットに直接種をまくと、移動がとても大変です。そこでおすすめなのが「セルトレイ」。さまざまなサイズのセルトレイが販売されていますが、筆者が使用しているものは1枚で128粒分もの種をまけるので、室内への取り込みを含めてとてもスムーズです。
発芽さえしてしまえば、少々の気温の低さは問題ありません。まずは「発芽させること」に全力を注ぎましょう。
しっかり本葉が4枚くらいになったらポットに移植して、日に当てるようにして屋外で育ててくださいね。
続けて、「初心者でも簡単」で、しかも「秋まで長く花が咲き続ける」春まきの一年草を紹介していきましょう。
4. 〈おすすめの春まき一年草 その1〉ジニア プロフュージョン
ジニア プロフュージョン。背丈が伸びずコンパクトにモリモリ咲く品種です4/10
著者撮影
ジニアは種類がたくさんあり、背丈が伸びるものやコンパクトにまとまるものなど、花色だけでなく草姿もさまざま。
個人的に初心者ガーデナーさんにおすすめしたいのは、「ジニア プロフュージョン」(サカタのタネ)という品種です。
とても優秀で背丈が大きくなりすぎず、次々と枝分かれして、花壇や鉢植えでモリモリと花を咲かせてくれますよ。
5. 〈おすすめの春まき一年草 その2〉ニチニチソウ
種まきから育てた、わが家の庭で真夏に満開に咲くニチニチソウ5/10
著者撮影
ニチニチソウも、初夏から秋まで夏の暑さに負けず咲き続ける花です。
苗で購入すると一株100円から300円ほどしますが、種まきからだと300円で数十粒入っていますので、お得にたくさんの苗を育てられますから、ガーデニング費用の節約にもなりますよ。
6. 〈おすすめの春まき一年草 その3〉マリーゴールド
マリーゴールドはイエローやオレンジ、近年はレッドやホワイトもあります6/10
著者撮影
マリーゴールドも春に植えて秋まで咲き続ける花です。種が比較的大きめなのでまきやすく、初心者なら直接ポットに種まきしても大丈夫なくらい丈夫です。
初夏から秋にかけて、鮮やかなイエローやオレンジ色の花を咲かせる姿は、見ているだけで癒やされますね。
7. ガーデニング費用の節約にも!春から「種まき」をしてみませんか
種まきから育てた満開のジニア7/10
著者撮影
発芽に失敗しない「種まき」のポイントと、初心者ガーデナーさんでも簡単で、しかも「秋まで長く花が咲き続ける」春まきの一年草を紹介しました。
種の袋に記載されている発芽適温は、理想の温度ですので、私の経験上は若干低くても問題なく発芽すると思います。天気のいい日は気温よりも地温の方が高くなるため、気温が多少低くても晴れが続く予報なら、思い切って種まきをしてみてもいいかもしれません。
数百円で驚くほどたくさんの花が咲く種まきは、ガーデニング費用の節約としてもおすすめです。この春、ぜひ試してみてくださいね。
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