年金の支給日が近づくたびに、「自分はどのくらい年金を受け取れるのか」「年金を多く受け取る人は、どれくらいいるのか」など、自分や周りの人の年金額が気になる方は少なくありません。

特に厚生年金は、働き方によって受給額に差が出やすい制度です。加入期間や報酬額で差が生じるため、比較的高い年金額を受け取る人がどれくらいいるのかは気になるところです。

そこで本記事では、年金支給日に厚生年金を「60万円(月額30万円)以上」受け取っている人の割合についてお伝えします。

1. 厚生年金「60万円(月額30万円)以上」受給する人は何%?

年金は、偶数月の2・4・6・8・10・12月の15日(※土日祝の場合は直前の平日)に、前月と前々月の年金がまとめて支給されます。

月額30万円の年金を受け取れる人であれば、支給日に受け取る年金額は2カ月分の60万円になります。※ただし、実際に受け取る額は各種控除後の金額となります。

それではさっそく、年金支給日に年金額「60万円(月額30万円)以上」を受給する方がどれくらいいるか、確認しましょう。

昨年末に公表された厚生労働省年金局の資料「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」により、まずは厚生年金の受給額ごとの受給権者数を見ていきます。

1.1 厚生年金の受給額ごとの受給権者数

厚生年金の受給額ごとの受給権者数1/2

厚生年金の受給額ごとの受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

~1万円:4万3399人
1万円以上~2万円未満:1万4137人
2万円以上~3万円未満:3万5397人
3万円以上~4万円未満:6万8210人
4万円以上~5万円未満:7万6692人
5万円以上~6万円未満:10万8447人
6万円以上~7万円未満:31万5106人
7万円以上~8万円未満:57万8950人
8万円以上~9万円未満:80万2179人
9万円以上~10万円未満:101万1457人
10万円以上~11万円未満:111万2828人
11万円以上~12万円未満:107万1485人
12万円以上~13万円未満:97万9155人
13万円以上~14万円未満:92万3506人
14万円以上~15万円未満:92万9264人
15万円以上~16万円未満:96万5035人
16万円以上~17万円未満:100万1322人
17万円以上~18万円未満:103万1951人
18万円以上~19万円未満:102万6888人
19万円以上~20万円未満:96万2615人
20万円以上~21万円未満:85万3591人
21万円以上~22万円未満:70万4633人
22万円以上~23万円未満:52万3958人
23万円以上~24万円未満:35万4人
24万円以上~25万円未満:23万211人
25万円以上~26万円未満:15万796人
26万円以上~27万円未満:9万4667人
27万円以上~28万円未満:5万5083人
28万円以上~29万円未満:3万289人
29万円以上~30万円未満:1万5158人
30万円以上~:1万9283人
※上記は、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれる

この表から計算すると、年金を月額30万円以上受け取っている方の割合は0.12%です。およそ1000人に1人という、稀なケースに該当することがわかります。

ちなみに、15万円以上の割合は49.8%、20万円以上は18.8%です。一方、10万円未満の割合は19.0%となっています。

2. 標準的な夫婦世帯の年金額は23万7279円、前年比4495円の上昇

私たちが受け取る年金額には幅があり、個人差がありますが、年金額は物価や賃金の上昇といった外的な要因によっても変動します。

年金は、こうした変化に応じて、毎年度見直される仕組みになっており、将来にわたって年金水準を確保するための措置が取られています。

令和8年度に関しては、国民年金は1.9%、厚生年金に関しては2.0%の引き上げられます。改定される年金額は下記のとおりです。

令和8年度 年金額(月額)の例

国民年金(満額・1人分):7万608円(1300円上昇)
厚生年金(標準的な夫婦世帯):23万7279円(4495円上昇)

※厚生年金に関しては、会社員の夫(平均標準報酬額45.5万円で40年間就業)と専業主婦世帯の給付水準です。

賃金や物価上昇を背景に、年金額は令和5年度より4年連続で上昇し、国民年金と厚生年金それぞれが1300円、4495円上昇しています。

この金額が多いか、少ないか、受け止め方は個人のライフスタイルによって異なりますが、あらためて年金額の例を見ると、国民年金の年金額の低さが目立ちます。

保険料が厚生年金加入者とは異なることもありますが、国民年金加入者である自営業やフリーランスの方、あるいは国民年金のみへの加入期間が長い方などは、厚生年金加入者より年金額が少なく、年金だけでは生活が難しくなることが予想されます。

預貯金や個人年金保険など、老後の生活を支える資産について早めに考えておくことをおすすめします。

3. 年金が少なくなる?年金から天引きされるお金

年金額からは、一定の条件を満たす場合、税金や社会保険料が天引きされて支給されます。そのため、実際の支給額は、年金支払額よりも少なくなる場合があります。

年金から天引きされるのは、次に挙げる税金と社会保険料です。

  • 介護保険料
  • 国民健康保険料または後期高齢者医療保険料
  • 個人住民税および森林環境税
  • 所得税および復興特別所得税

受け取れると考えていた額より実際の支給額が少ないと、老後の家計に影響が出る可能性があります。たとえ天引きされなくても、これらの税金や保険料は支払う可能性があるお金です。リタイア後にはどのような支出があり、いくら支払う必要がありそうか、事前に計算して確認しておくと安心です。

年金から保険料や税金が天引き(特別徴収)される方は、「年金振込通知書」でその額を確認できます。

受け取れる年金の加入状況や年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。「ねんきん定期便」に関しては、誕生月に送られてくるので忘れずにチェックしておきましょう。

4. 年金は早めに確認、早めの準備で安心の老後を

今回の記事では、年金支給日に厚生年金を「60万円(月額30万円)以上」受け取っている人の割合についてお伝えしました。

月30万円以上の受給者は0.12%で、この額を受け取れるのは、およそ1000人に1人の割合です。

たとえば、給与やボーナスを含めた平均標準報酬月額が100万円以上あり、この額が38年間(※入社から60歳まで)続いている、などの条件に合致する方は、30万円前後の年金額を受け取る可能性があります。

とはいえ、厚生年金の平均受給額は約15万円ですから、会社員や公務員など、多くの方は15万円前後の年金を受け取ると考えられます。

受け取れる年金の加入状況や年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。「ねんきん定期便」に関しては、誕生月に送られてくるので忘れずにチェックしておくと安心です。

参考資料