3月も終わりに近づき、やわらかな春の風とともに新年度を意識する季節になりました。

世の中では賃上げの明るいニュースが続く一方で、実際の給与水準がどう変わっているのか、気になっている方も多いはずです。

そこで本記事では、国税庁や厚生労働省が公表している最新データをもとに、日本の給与の実態について見ていきます。ニュースだけでは見えにくい部分も、数字から整理していきましょう。

1. 日本の平均給与の全体像はどうなってる?

まずは、ボーナスや諸手当を含む「年間の総支給額」を確認します。

国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円(前年比3.9%増)となりました。

  • 全体:478万円
  • 男性:587万円
  • 女性:333万円
  • 正社員:545万円
  • 正社員以外:206万円

平均額は上昇していますが、正社員以外の平均が200万円台前半にとどまっている点や、男性と女性で250万円以上の開きがある点など、構造的な課題が依然として残っています。

2. 平均賃金(月額)は34万600円に!男女格差の変化も

次に、2026年3月24日に公表されたばかりの、より詳細な「月々の賃金」に関するデータを見ていきましょう。

厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」の概況によれば、一般労働者の平均賃金(月額)は34万600円となりました。

ここで特筆すべきは、男女間の賃金格差が過去最小を更新したことです。

  • 男性:37万3400円(前年比2.8%増)
  • 女性:28万5900円(前年比3.9%増)

同調査における男女間賃金格差(男性=100)は76.6となり、比較可能な1976年以降で、もっとも格差が縮小しました。女性の昇進や、賃金の高い職種への進出が進んでいることが、統計上の数字として明確に表れています。

3. 2026年4月に始まる「手取り減」の影響 「子ども・子育て支援金」とは

統計上の「額面」は過去最高水準にありますが、私たちの生活実感に直結するのは「手取り額」です。

2026年4月からは、こども家庭庁「こども未来戦略」に基づき、「子ども・子育て支援金」の徴収が新たに開始されます。

これは医療保険料に上乗せされる形で徴収されるため、給与所得者の多くが、実質的な「社会保険料の引き上げ」に直面することになります。

年収別の支援金額の試算(令和8年度)3/3

年収別の支援金額の試算(令和8年度)

出所:こども家庭庁「令和8年度の支援金額(試算)」

年収478万円の給与所得者(個人)であれば、毎月数百円程度の負担増が見込まれます。「賃上げ分が社会保険料の増加で相殺されてしまう」という、働く世代特有のジレンマは、2026年度も継続することになりそうです。

4. 給与と手取りの今後

最新のデータから、日本の給与水準や手取り額の実態を見てきました。調査によると、一人当たりの平均給与は478万円と上昇傾向にあり、男女の賃金格差も縮小が進んでいます。

その一方で、2026年4月からは子育て支援金の徴収が始まる予定で、実質的な手取り額は減少する可能性があります。数字だけを見ると改善しているように見えても、実感としては負担が増えると感じる人も少なくないかもしれません。

平均値に振り回されるのではなく、まずは自分の給与明細をしっかり確認し、実際の手取り額を把握することが大切です。

新年度からの変化も踏まえながら、これからの家計や資産形成について、一度見直してみてはいかがでしょうか。

参考資料

マネー編集部年収班