5. 夫婦の働き方で年金額はどう変わる?3つのパターンで比較シミュレーション
記事の冒頭で紹介した「標準的な夫婦で約47万5000円」という金額は、夫が会社員として長期間厚生年金に加入し、妻は厚生年金加入歴のない専業主婦などで国民年金のみを受け取る、という世帯を想定した2カ月分の支給額です。
例えば、夫婦ともに厚生年金に加入していた共働き世帯の場合、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の平均額を基に計算すると、月額の合計は約28万円になります。2カ月分がまとめて支給されるため、1回あたりの支給額は約56万円と試算できます。
対照的に、夫婦ともに自営業やフリーランスなどで厚生年金の加入歴がなく、国民年金のみを受給するケースではどうでしょうか。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の平均額を基にすると、月額の合計は約11万円となり、1回の支給額は約22万円程度と見込まれます。
このように、夫婦それぞれの現役時代の働き方によって、受け取る年金の構成や総額は大きく変わってきます。
モデルケースの金額を鵜呑みにせず、ご自身の職歴や年金加入状況に基づいて、将来の受給額を考えることが大切です。
将来の年金額を具体的に知りたい場合は、「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を活用して、事前に確認しておくことをおすすめします。
6. まとめ:年金の仕組みを理解し、自身の受給額を把握して老後に備えよう
この記事では、公的年金の基本的な構造から、2026年度の年金額の目安、そして平均的な受給額までを解説しました。
老後の生活を支える重要な収入源である公的年金ですが、受給額は一律ではありません。加入制度や期間、夫婦の働き方など、個々の状況によって大きく変動します。
「標準的な夫婦で約47万5000円」というモデルケースは、あくまで特定の条件下での試算であり、すべての世帯に当てはまるものではないことを理解しておく必要があります。
さらに、年金は2カ月に一度支給されること、税金や社会保険料が天引きされること、そして平均寿命の延伸により老後が長くなっていることなども考慮に入れるべきでしょう。
平均額やモデルケースを参考にするだけでなく、自分と配偶者の年金加入記録に基づいた、より正確な受給見込額を把握することが何よりも重要です。
その上で、将来の生活設計に合わせた家計管理や資産形成を考えることが、人生100年時代を安心して暮らすための第一歩となるはずです。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」1 主な年齢の平均余命
- LIMO「【4月15日は年金支給】1回の年金支給日に「約47万5000円」が支給される「標準的な夫婦」とはどんな世帯?」
矢武 ひかる