3. 高齢期に向けた医療費準備のポイント

原則1割負担となる後期高齢者医療制度ですが、所得によっては2割・3割の負担となる可能性があります。

高齢期にはケガや病気のリスクも高まり、医療費の負担が重くなるケースが多いため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。

ここでは、高齢期に向けた医療費準備のポイントを解説していきます。

3.1 高額療養費制度への理解を深める

まず、高額療養費制度への理解を深めておくことが重要です。

高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費の自己負担額が年齢・所得で定められた上限額を超えた場合に、その超えた部分が払い戻される制度のことです。

所得が多いほど上限額は高くなりますが、医療費の負担が過剰にならないような仕組みになっています。

つまり、過度に老後の医療費負担を恐れる必要はないということです。

また、事前に「限度額適用認定証」の交付を受けて提示したり、「マイナ保険証」や「資格確認書」を利用したりすることで、医療機関の窓口での支払いを最初から高額療養費の上限額までとすることができます。一時的な立て替え払いが不要になるため、事前の準備として覚えておきましょう。

3.2 医療費専用の予備資金を用意しておく

高齢期の資金計画を立てる際、生活費とは別に医療費専用の予備資金を準備しておくことも大切です。

生活費しか準備していないと、突発的な手術・入院等で出費が嵩んだときに生活に支障をきたす恐れがあるためです。

前述の通り、高額療養費制度によって医療費の負担が過度に重くなる心配はありません。

しかし、入院時の差額ベッド代や食事代、先進医療を受ける際の治療費などは公的医療保険の対象とならないため、自分で準備しなければなりません。

急な出費にも対応できるよう、医療費のための予備資金を用意しておきましょう。

3.3 民間の医療保険は「不足分」をカバーする

突発的な医療費をカバーする目的で民間の医療保険に加入するというのもひとつの手です。

しかし民間の医療保険を活用する場合、不足分だけをカバーする意識を持っておきましょう。

繰り返しになりますが、高額療養費制度のおかげで医療費はそこまで大きな負担にはなりません。

民間医療保険を手厚く備えようとすると保険料の負担が重くなるため、不足分だけをカバーする最低限の保障プランを設計することが大切です。

ご自身の貯蓄状況や想定される医療費を踏まえ、必要最低限の保障内容で民間医療保険を活用しましょう。