国民年金の平均受給額と男女差

国民年金の平均額(全年齢)4/7

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

次に、国民年金の平均受給月額を厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で確認します。

  • 全体平均:5万9310円
  • 男性平均:6万1595円
  • 女性平均:5万7582円

国民年金受給額の分布状況

  • 1万円未満:5万1828人
  • 1万円以上~2万円未満:21万3583人
  • 2万円以上~3万円未満:68万4559人
  • 3万円以上~4万円未満:206万1539人
  • 4万円以上~5万円未満:388万83人
  • 5万円以上~6万円未満:641万228人
  • 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
  • 7万円以上~:299万7738人

国民年金の平均月額は、男女ともに5万円台後半となっています。グラフの分布を見ると、「月額1万円未満」から「7万円以上」まで幅がありますが、厚生年金ほど大きなばらつきはありません。

これは、国民年金の受給額が保険料の納付月数に応じて決まり、満額が定められているためです。

最も多い層(ボリュームゾーン)は「6万円以上~7万円未満」であり、多くの人が満額に近い年金を受給できていることがわかります。

【家計調査】65歳以上・無職夫婦世帯のリアルな家計収支

ここでは、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に、65歳以上の無職世帯における1カ月あたりの家計収支の実態を見ていきましょう。

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

まずは夫婦のみの世帯からです。

収入の内訳(65歳以上・無職夫婦世帯)

  • 実収入:25万2818円
  • うち社会保障給付:22万5182円 ※主に年金

支出の内訳(65歳以上・無職夫婦世帯)

  • 実支出:28万6877円
  • うち消費支出:25万6521円

消費支出とは、食費や光熱費といった、いわゆる生活費のことです。主な内訳は以下の通りです。

  • 食料:7万6352円
  • 住居:1万6432円
  • 光熱・水道:2万1919円
  • 家具・家事用品:1万2265円
  • 被服及び履物:5590円
  • 保健医療:1万8383円
  • 交通・通信:2万7768円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万5377円
  • その他の消費支出:5万2433円
    • うち諸雑費:2万2125円
    • うち交際費:2万3888円
    • うち仕送り金:1040円

また、税金や社会保険料などの非消費支出は3万356円で、内訳は次のようになっています。

  • 直接税:1万1162円
  • 社会保険料:1万9171円

このモデルケースの夫婦世帯では、1カ月の実収入25万2818円に対して支出の合計が28万6877円となり、毎月3万4058円の赤字が出ている計算になります。

【家計調査】65歳以上・無職単身世帯のリアルな家計収支

続いて、同じく総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上の無職単身世帯(おひとりさま世帯)の家計収支を見ていきます。

収入の内訳(65歳以上・無職単身世帯)

  • 実収入:13万4116円
  • うち社会保障給付:12万1629円 ※主に年金

支出の内訳(65歳以上・無職単身世帯)

  • 支出:16万1933円
  • うち消費支出:14万9286円

消費支出の主な内訳は次の通りです。

  • 食料:4万2085円
  • 住居:1万2693円
  • 光熱・水道:1万4490円
  • 家具・家事用品:6596円
  • 被服及び履物:3385円
  • 保健医療:8640円
  • 交通・通信:1万4935円
  • 教育:15円
  • 教養娯楽:1万5492円
  • その他の消費支出:3万956円
    • うち諸雑費:1万3409円
    • うち交際費:1万6460円
    • うち仕送り金:1059円

非消費支出の平均額は1万2647円でした。

  • 直接税:6585円
  • 社会保険料:6001円

単身世帯の場合、1カ月の実収入13万4116円に対し、支出の合計は16万1933円となり、毎月2万7817円の赤字となっています。

国民年金の受給額を増やすには?「付加年金」制度を解説

近年、働き方が多様化し、フリーランスや自営業者など、厚生年金に加入しない働き方を選ぶ人も増えています。

しかし、国民年金のみの加入となる場合、老後の年金受給額は厚生年金受給者に比べて少なくなる傾向があります。

そこで、国民年金の受給額を上乗せできる制度の一つとして「付加年金」について解説します。

付加年金とは、毎月の国民年金保険料(2025年度は1万7510円)に「付加保険料(月額400円)」を上乗せして納めることで、将来受け取る年金額を増やせる制度です。

付加年金に加入できる人

  • 国民年金第1号被保険者
  • 65歳未満の任意加入被保険者

付加年金に加入できない人

  • 国民年金保険料の納付を免除・猶予されている人(法定免除、全額免除、一部免除、納付猶予、学生納付特例)
  • 国民年金基金に加入している人

なお、個人型確定拠出年金(iDeCo)と付加年金は同時に加入できますが、iDeCoの掛金によっては併用できない場合があるため注意が必要です。

シミュレーション:40年間付加保険料を納めたら年金はいくら増える?

仮に20歳から60歳までの40年間(480カ月)、付加保険料を納め続けた場合のシミュレーションを見てみましょう。

65歳から受け取れる年間の付加年金額は「200円 × 付加保険料を納めた月数」で計算できます。

  • 納付する付加保険料の総額(40年間):19万2000円(400円 × 480カ月)
  • 65歳以降に上乗せされる付加年金額(年額):9万6000円(200円 × 480カ月)

このケースでは、40年間で納めた保険料の総額は19万2000円です。一方で、毎年9万6000円が年金に上乗せされるため、年金を受け取り始めてからわずか2年で元が取れる計算になり、大変お得な制度といえるでしょう。

まとめ:年金だけで生活は可能か?今からできる備えを考えよう

今回は、公的年金の仕組みから平均受給額、そして年金で暮らす世帯の家計収支の実態までを詳しく見てきました。

さまざまなデータから、多くの場合、年金収入だけで毎月の支出をすべて賄うのは難しいという現実が見えてきます。

特に女性は、キャリアの中断などライフイベントの影響で年金額が少なくなりがちです。そのため、より早い段階から老後資金の準備を意識することが重要になります。

国民年金に加入している方は、今回ご紹介した付加年金制度の活用を検討するのもよいでしょう。また、iDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用して、ご自身で老後の資産を形成していくことも有効な手段です。

まずは第一歩として、ご自身の「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」で、将来受け取れる年金の見込額を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

中本 智恵