5. 年金制度改正のポイント|今後の受給に与える影響

2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。今回の改正の主な見直しポイントを整理していきましょう。

5.1 年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》

社会保険の加入対象の拡大

  • 短時間労働者の加入要件(賃金要件・企業規模要件)の見直し。いわゆる年収「106万円の壁」撤廃へ

在職老齢年金の見直し

  • 支給停止調整額「月65万円」へ大幅緩和(2025年度は月51万円)

遺族年金の見直し

  • 遺族厚生年金の男女差を解消
  • 子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

  • 標準報酬月額の上限を、月65万円→75万円へ段階的に引き上げ

私的年金制度

  • iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)
  • 企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)
  • 企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)

6. 貯蓄・年金・生活費から考える現実的な老後設計のポイント

70歳代の貯蓄額を見ると、平均と中央値には大きな差があり、「ふつうの生活水準」を把握するには中央値の理解が重要です。

また、年金収入だけでは生活費をまかないきれず、赤字になる世帯も少なくありません。特に医療費は年齢とともに増加しやすく、今後の家計に与える影響も大きくなります。

こうした現実を踏まえると、年金額の把握だけでなく、支出の見直しや制度の活用も重要です。

4月の新年度は家計を見直す良いタイミングですので、自身の貯蓄や収入、支出のバランスを改めて確認し、無理のない老後設計を考えておきましょう。

早めの準備が安心につながります。

参考資料

川勝 隆登